検索窓
今日:4 hit、昨日:24 hit、合計:54,540 hit

ෆ‪‪ ページ11

.

ずっと総合ランキングに乗せていただいて感謝しかないです…!ありがとうございます💘

ーーーー




どれだけの時間が経ったのだろうか、酸欠の頭で考える。すると、舌まで絡めようとして集中し始めたのか少し手の力が弱くなった。ここしかない。咄嗟に背を屈めた。


行儀なんて知らない。私の体に伸ばされる手を押しのけ、体の隙間から抜け出しバタバタとうるさい足音をたてながらその場から逃げた。


『あーもう!!あんた明日絶対殴ってやるから!』



ෆ‪‪ෆ‪‪ෆ‪‪



バタン。美しい女官は部屋の扉を閉め、そのまま扉に寄りかかるようにずるずると座り込んだ。頬には燃えるような朱が差し、長い睫毛がふるふると震えている。


『むり……ほんとに、駄目でしょあんなの』


あんな公害に日頃から話しかけていたのか。宮中の女にあれだけ持て囃されている理由が分かったかもしれない。親友の女官に「A、壬氏さまと一緒にいられるのいいなあ…あんたが友達じゃなかったらぶっ飛ばしてたかも」と言われたことはあった。(その時はあんないけ好かない人間をよく慕えるな、とは思ったが)


どうして、あんな違うんだろう。口を覆っていた骨が浮き出ている手、喉仏の上下する動き、まるで甘露のようだと謳われる女では到底出すことの出来ない低い声、女は好んで使わない香の香り、薄く柔らかな唇。薬で敏感になっている五感のせいで彼の存在を嫌でも認識させられた。


女は、薬で頭がおかしくなっていた。自分の右の人差し指をそろりそろりと唇に寄せると、壬氏との口付けを真似するかのようにふに、と触り始めた。

指に自分の唇の感触が伝わってきて、あいつはこんな感じだったのかとまともに働かない頭で考える。……あっちは、気持ちよかったものだったのだろうか。


ゆっくりと指を唇から離す。指先には薄く紅色がついていた。


『あいつに口紅、持ってかれちゃった……』

‪‪❤︎‬【散歩】→←ෆ‪‪



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (143 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
676人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

arashi1999(プロフ) - はじめまして!こちらのお話し大好きです!更新停止になってますが更新されるのを楽しみに待ってます! (3月20日 18時) (レス) @page18 id: 842b15c736 (このIDを非表示/違反報告)
めあ(プロフ) - ゆさん» コメントありがとうございます💘最近自分の書きたいものが何か分からなくなってきて全く書けてないんですがそういって貰えるとほんとに有難いです😭これから頑張ります!!! (1月28日 23時) (レス) id: aea8f156ce (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - コメント失礼します!!他の方とコメント被りしますが、本当に求めてましたこういうお話!!違う立場から壬氏さまに愛される感じめちゃくちゃ好きです(大声)是非とも更新楽しみにしています!!!! (1月28日 21時) (レス) id: 6d3f108665 (このIDを非表示/違反報告)
めあ(プロフ) - mちゃさん» コメントありがとうございます💘夢主がこういう立ち位置なの結構珍しいですよね!私も自信もって書いているので嬉しいです🥰 (1月13日 9時) (レス) id: aea8f156ce (このIDを非表示/違反報告)
mちゃ(プロフ) - こういうの求めてました!! (1月13日 1時) (レス) @page11 id: e046c287bb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:めあ | 作成日時:2023年12月31日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。