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「へぇ、なかなか綺麗な領域じゃん」


雪山を催したようなその領域は、シンシンと雪が降り続け 内部の一部から突き刺さるほど鋭い氷が所々に飛び散っていて、雪によってキラキラと美しく反射した氷柱の精度は、流石とでも言うべきか申し分なかった。


ていうか、そっか。伏黒くんはこの氷柱が突き刺さったのか。

伏黒くんに対して領域が展開される前に救助に来れてよかった。展開されていたらあの子の肉体はきっと土に還っていただろう。




「……ん」



思考を止めてふと耳を澄ませばパキ、パキと空気が割れる音が後方からした。そちらを振り向けば巨大化したその鋭利な冷たい牙が俺を串刺しにしようとしているのが目に入る。



「あ、痛い……」



殴って粉砕させたはいいものの、やっぱり氷は痛かった。殴ったことによる衝撃と冷えの両方から来るジンジンとした痛み。くそぅ。


でも砕けないほどじゃないならいいや。


まさか自慢の降雹が殴られ砕けるとは思ってもいなかったのか青白い呪霊は



「ンぅ!!?」


と声を出し 焦ったようにボコボコと次々に氷柱を生み出した。





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「あれ、もう疲れちゃったの?」




少し呪霊と遊んでやって、相手が息をゼェハァ苦しそうに吐き始めたところで、やっと殴っていた手を止め口を開いた。





「言っとくけど、お前はただじゃ殺さないからな。

俺の大事な生徒をあんなにも傷つけやがって。伏黒くんには頭部流血に加えて右脇腹貫通の重傷を負わせるってどういうこと?何してくれてんの雑魚のくせに。


お前は領域内に引きずり込んでやる」






そう言い終えたところで深呼吸を一つして パチンと両手を合わせ人差し指と中指でひし形を揃える。






「領域展開、『 永永無窮 有耶無耶(えいえいむきゅう うやむや) 』」


途端、あたりは淡い光に包まれた。









しかし、そう言い放った直後、瞬きの一瞬にも満たない速度で領域は閉じた。









「どう?凄いでしょ、俺の領域」









.......
誰もいないのに、にんまりと口角を上げて話しかけた俺は並んだ薬のパッケージを見つめた。







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フロイド - とても面白い。更新待ってます。 (2021年3月20日 0時) (レス) id: d87b220079 (このIDを非表示/違反報告)
水たまり - コメント失礼します。尊いです、好きです。狗巻くんの語彙は確かそういうのを纏めた記事があったような気がします、調べてみればわかるかと!好きです!応援してます頑張ってください^^* (2021年1月3日 9時) (レス) id: 0358aa12a5 (このIDを非表示/違反報告)
m.(プロフ) - うららさん» ひゃあああ、ありがとうございます!更新頑張ります! (2020年12月27日 11時) (レス) id: b5c70db5f0 (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - 続き楽しみにしております。 (2020年12月23日 20時) (レス) id: e068332aca (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - やばいですね!!!尊くてやばいです!!!これからも応援しています。 (2020年12月23日 20時) (レス) id: e068332aca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:m. | 作成日時:2020年11月25日 22時

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