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踏み入った廃病院内の一階、受け付けと書かれたカウンター付近に伏黒くんであろう人物は倒れていた。
「大丈夫?返事できるか?」
伏黒「…………」
「意識はないか。けど呼吸はあるね 強い子だ」
駆け寄って頬を軽く叩いたが反応がなかった。それにしても酷い出血だ。
頭皮や鼻血の量も凄いがそれより、
「うん、お腹やられちゃったのか」
黒っぽい制服の上からでもわかる、赤黒く変色した布。
溢れ出る血液を吸いすぎてどっしりと重くなっている。
ぽっかりとあいた腹から体内を覗いても銃弾等は見られなかったので 呪いによる攻撃だと断定する。
幸い腹の内蔵は負傷しておらずただ脇腹の脂肪と筋肉を貫通させられただけのようだった。
応急処置を行うため、伊地知さんに途中で寄ってもらったドラッグストアで買った大量の包帯とソーイングセットを袋から取り出して、自信が身につけている携帯用消毒液を手にかける。
「ごめんね、麻酔とかはないんだけど。痛くても我慢してね」
血塗れた制服のボタンを外した。
_ _ _ _ _
無事に処置を終え、待合室に並んだ椅子に伏黒くんを横にたおし、体温の急激な低下を防ぐ為に上から羽織っていた上着をかけた。
「おい特級。出てこいよ、いるんだろ?」
立ち上がってカウンターの奥、調剤室から感じる気配と向かい合う。
「イヒッ イヒヒヒィッ」
中から出てきたのはクネクネと身を動かす白衣を着た青白い呪霊だった。
「
睨みつけた視線を痛くも痒くもなんともないとでも言うように青白い呪霊は
「シィ ね、エ ♡」
嬉しそうに領域を展開した。
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フロイド - とても面白い。更新待ってます。 (2021年3月20日 0時) (レス) id: d87b220079 (このIDを非表示/違反報告)
水たまり - コメント失礼します。尊いです、好きです。狗巻くんの語彙は確かそういうのを纏めた記事があったような気がします、調べてみればわかるかと!好きです!応援してます頑張ってください^^* (2021年1月3日 9時) (レス) id: 0358aa12a5 (このIDを非表示/違反報告)
m.(プロフ) - うららさん» ひゃあああ、ありがとうございます!更新頑張ります! (2020年12月27日 11時) (レス) id: b5c70db5f0 (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - 続き楽しみにしております。 (2020年12月23日 20時) (レス) id: e068332aca (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - やばいですね!!!尊くてやばいです!!!これからも応援しています。 (2020年12月23日 20時) (レス) id: e068332aca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:m. | 作成日時:2020年11月25日 22時