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凄い。何が凄いのか上手く言えないけれど、凄い。
全く乱れない音程は勿論、感情の乗せ方、息遣い、リズムの取り方、そして何より、声。
優しいのに力強い。透明なのに色を持ったような鮮やかさがある。感情豊かな歌声は歌っている人がどんな人なのか興味を持たずにはいられない。
そんな興奮を味わっている時、CDケースになにかが書いてあることに気づく。
作詞作曲 億宮A
編曲 億宮 A
要は、この曲は全て彼女が作ったものだと書かれていた。
こんなの、嫌悪や不安を抱くまでもない。
今までの感情が全て取り除かれ、純粋な彼女への憧れだけが残った。
実緒は終わってしまった曲に名残惜しさを感じて、もう一度再生した。
色褪せない。全然。
何回も、何十回も聴いた。
この世に出ている大抵の曲は、数十回も連続で聴けば飽きがきて違う曲を聴きたくなる。
しかし、彼女の曲にはそれが全くと言って良いほどなかった。
何度聞いても初めて聴いたような感覚になる曲。
最初は意味がわからなかったが、今ならこの曲のタイトルの意味がわかる気がする。
曲名をつけるのが面倒臭かったとか、無題という曲名なのだとか、そういうことじゃない。
きっと、この曲を表せる言葉がこの世に存在していなかったのだ。
実緒は狂ったようにその曲をひたすら聴いた。脳が麻痺を起こしそうなほど、その曲しか頭に入らなくなるほど聴いた。
彼女に会える日を待ち遠しく思った。
尊敬、羨望、憧れ。どれも彼女の歌に抱くような感情だが、それだけで表せるような歌ではなかった。
1番近い言葉を選ぶとするならば…。
「…恋、かな」
彼女の歌に、恋をした。
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ドーナツ(プロフ) - 高沢さん» ありがとうございます〜！こちらはかなり不定期更新となってしまうと思いますが、本編共々よろしくお願い致します！ (2020年5月30日 6時) (
レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
高沢 - 番外編…！ありがとうございます！！楽しみにしています！！ (2020年5月29日 23時) (レス) id: a364a1dba9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ドーナツ | 作成日時：2020年5月28日 21時
