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「…サイズぴったり」

流石マネージャーと言うべきか。

自分の体型を寸分の狂いもなく理解されていることに苦笑したA。

試着室のカーテンから顔を出すと美咲にこれほどかと言うほど褒められた。

「…美咲さん褒めすぎ」

「だって可愛いんだもの。これも履いてみて」

水色のサンダルを目の前に出される。
着替えている間に選んでくれていたのだろうか。

案の定、そのサンダルもサイズに問題はなく再び苦笑いを溢した。

「ぴったりね。ヒールがあるタイプもあるけど、こっちの方がいいでしょう?」

もう一足、同じデザインの5センチほどヒールのあるサンダルを出されたがAは美咲に同意した。

職業柄、モデルの仕事をすることも少なくないから悪いとは言い切れないけれど、Aは平均より高めの身長を気にしていた。

特別コンプレックスを抱いていたわけではないが、少し背が小さいくらいの方が可愛らしいと思っていたのは事実だ。

「この時間なら事務所に寄っても間に合うわね。メイクはそこでしましょうか」

そう言い店から出ようと足を進める美咲。

Aは美咲を慌てて引き止めた。

「ちょっと待って、お会計は?」

ワンピースを買おうと手に持っていた水色の財布をひらひらと見せるA。

そんな彼女の様子に、ああと思い出したように美咲は口を開いた。

「もう済ませてあるわよ。誕生日プレゼント」
 
さらっとそう告げる美咲にAは心の中で呟いた。イケメンだ。

「もう貰ったんだけど…」

誕生日プレゼントと言っておきながら、朝に美咲と実緒からお菓子やら美容用品やら雑貨やら、結構な量のプレゼントを既に貰っている。

美咲と実緒はこういうイベントごとにはかなり全力で取り組むタイプ故にAの誕生日は毎年かなり盛大に祝われているのだ。

「いいの。貴方たちが稼いでくれているおかげで私の年収もなかなかいいんだから」

独り身だと使う機会がないからと言う美咲。
貯めておくのもいいけれど、それよりは大切な人の誕生日をより特別なものにしたいと言う美咲の好意だった。

「……ありがとう。大切に着るね」

「そうして頂戴。貴方、服のレパートリー少ないから」

美咲の言葉にAは苦笑する。ぐうの音も出ない。

3→←バルカローラを奏でよう.1



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ドーナツ(プロフ) - 高沢さん» ありがとうございます〜!こちらはかなり不定期更新となってしまうと思いますが、本編共々よろしくお願い致します! (2020年5月30日 6時) (レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
高沢 - 番外編…!ありがとうございます!!楽しみにしています!! (2020年5月29日 23時) (レス) id: a364a1dba9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ドーナツ | 作成日時:2020年5月28日 21時

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