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"明るいから嫌い"。
彼女の言っている意味が天にはよく理解出来なかった。
普通、天やA位の年だと明るい方が安心するものでは無いのだろうか。
そうは思うけれど、それを口にする勇気は天にはなかった。
それは彼女にとって聞かれたく無い事なのかもしれなかったし、過去に何かがあったのかもしれない。
誰にだって、踏み込んで欲しくない、『テリトリー』いうものがある。
天にもそういうものがあったし、それをわざわざ初めて会った人に聞くのも気が引けた。
と、次の瞬間、天のくしゃみが夜空に響いた。
「……っふ、はははっ!」
「……笑わないでくれる?」
「だって、タイミングっ……!」
そう言って未だに笑い続ける彼女に思わず顔に熱が集まる。
「寒いんでしょう?戻れば?」
「……君は?」
「私はまだいいや。ここにいる。」
天から視線を外した彼女の横顔はやけに寂しげに見えた。
戻るといってもただベッドに横たわるだけ。
どうせまだ眠りにつくことはできないだろう。
「もしかして、眠れない?」
「…っ、そういう、訳じゃ……」
「じゃあ戻ったら?風邪引くだけだよ。」
「……」
「図星。」
何も言い返せないことが悔しい。でも、彼女の言っていることは正しくて、ドキッとしたのも事実だ。
その、心の奥深くまで見透かすような、青く透明な瞳は少し苦手だな、と思った。
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ドーナツ(プロフ) - わあ…!ありがとうございます〜!!お友達さんとは仲良くなれそうです…!笑 嬉しいお言葉ばかり、本当にありがとうございます…!こちらこそありがとうございました! (2020年6月7日 12時) (レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
via - 私の友達がアイナナ大好きなんですよ!しかも、推しが同じだったはず…言葉での表現の仕方が凄く上手くて、簡単に小説の光景が思い浮かびました。凄く面白かったので友達にもオススメしてみようと思います!イベントに参加して頂きありがとうございました! (2020年6月7日 9時) (レス) id: 124b642d9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ドーナツ | 作成日時:2020年4月1日 0時