2-4 ページ11
蒼い蒼い闇に光が降り注ぐ。
その線は瞬く間に消えてしまうけれど、人を魅了させる光だとAは思った。
星空を眺めながら音を紡いでいると一際輝く流れ星を見つけて思わず歌を止めた。
あんな、星になりたい。
別に死にたいとか、そういう意味ではないのだけれど。
ただ真っ暗な夜空の中、圧倒的に輝き、みんなを魅了する、ただひたすらに輝く星になりたい。
Aは強くそう思った。
何か思い付くとすぐ音にする。それは作曲家の癖のようなものだ。
彼女は思い出とか写真とかそういうものを残すたちでは無かった。その代わり、音で感情を残すことが多かった。
彼女は一度聞いた曲は忘れない。形よりも鮮明に残るから、音楽が好きだった。
こんな即興なんて実際の曲にはならない。
自分で作詞作曲、なんなら編曲までする彼女だが、こんな即興でちゃんとした曲になったのは両手で数えて足りる程度。
それなのに、この曲は何となく、最高の曲になる気がした。
きっと、女の子に興味を持つことなんてないと思ってた。
顔しか見てなくて、少し冷たい態度を取ればみんな勝手に去っていく。
結局、自分のことを分かってくれる人なんて居ない。そんなふうに思っていた。
それからはやけに相手の態度が冷たく感じた。
だから、自分も冷たくするようになった。
そのうち、話しかけてくることもなくなって、それも特にどうとも思わなくて。だから自分には人間関係なんて必要ないと思っていた。
なのに。そのはずなのに。どうして目の前の少女がこんなにも愛おしいんだろう。
その悲しそうな表情さえ綺麗だと思う。
彼女はやっぱり星のようだと天は思った。
162人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ドーナツ(プロフ) - わあ…!ありがとうございます〜!!お友達さんとは仲良くなれそうです…!笑 嬉しいお言葉ばかり、本当にありがとうございます…!こちらこそありがとうございました! (2020年6月7日 12時) (レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
via - 私の友達がアイナナ大好きなんですよ!しかも、推しが同じだったはず…言葉での表現の仕方が凄く上手くて、簡単に小説の光景が思い浮かびました。凄く面白かったので友達にもオススメしてみようと思います!イベントに参加して頂きありがとうございました! (2020年6月7日 9時) (レス) id: 124b642d9c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ドーナツ | 作成日時:2020年4月1日 0時