依頼だよ依頼 (ページ26)

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轟焦凍オリジンページ26

私がグースカ寝ている間
にもう焦凍くんとデクくんの試合が
始まっていた

仮眠室のモニターでは
何か言い争っているのは見えるが

小さな音声は聞こえない

会場で見たいが
試合に目が離せない

焦凍くんが出した氷を
デクくんが個性でどんどん爆発して
食い止めている

でも焦凍くんは氷を出しすぎると
体温が下がる
霜が降りているのが証拠だ

体温を上げるためには
左の炎を使わなければならない

焦凍くんの個性は
万能ではない

焦凍くんが氷をだしすぎて
動きが鈍くなったところを

デクくんが1発決めた

そこから焦凍くんは
防戦一方になった

その時

「君の！力じゃないか！！」

デクくんがそう叫んだのが聞こえた

デクくんはもう腕が
ボロボロになっていた

焦凍くんに言ったはずなのに

どうしてこう私の心にも
刺さるんだろう

その時画面に炎が見えた

焦凍くんが左を使った

焦凍くんは笑っていた

私はその試合を最後まで見ず
仮眠室から出た

ズドーンｯｯ

結果がついたのだろうか
衝撃が凄まじく足元が揺れた

【緑谷場外!!!轟が3回戦進出だぁー】

相変わらず匂いはしないけど

何とかボロボロ姿の焦凍くんを見つけた

『っしょーとくん、焦凍くん!!!』

「A？

どうして泣いているんだ？」

私は言われて気づいたが涙が頬を伝っていた

『ヒック...なん...でかな...？
...悲しくない...のに
涙が...出るんだよ...』

私は笑顔でそう言い焦凍くんの顔を見た

焦凍くんは初めは驚いていたが
だんだんとおだやかな顔になっていった

『...そうか』

そう言い
私を抱きしめてくれて泣き止むまで
頭をポンポンと撫でてくれた

『おめでとう、焦凍くん

次は私の番
見ててね』

「あぁ」