世界一愛するお前の所へ

NO.63 ページ37

高杉side〜



「胸の中だと?



どういう事だ」





『お前とは会いたくないと思うぞ?


だから代わりに私が出てきたのだ




お前にとってあの子は何なのだ



私の大切な子





ずっと一番近くで見てきたがこの子を一番傷つけているのはお前だぞ』





凍りそうな目を俺に向けてくるA。





「…その身体から出ていけ」





『それは無理な話だ




この身体は私がここに居るから生きていられる



私が抜ければこの子は死ぬぞ』






「何故だ」




「この子は一度死にかけている





命は細い糸の集まりだ

この子の糸はもうほとんど残っていない



私がやっと繋げているのだ



そこで私が抜けたらどうなる?」





「……」




「分かっただろう?


私が抜けてしまってはこの子は死んでしまう





まぁだから私がこうやって表に出てきているのだがな」





その時、嘉成靜が入ってきた。





「!!……あなた様が出てきたということは……」





「…あぁ、近い」




嘉成靜は小さく溜め息を吐くと俺に向かい合った。






「…覚悟するんだ



良いね」

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