世界一愛する君の側へ

群青玉 [高杉] ページ31

“青”









『綺麗ね』



そう言うお前の腰に手を回して抱き締めた。


『何、甘えたい時期なの?』


そう口ではグチグチ言っても、俺の手を握ってくるお前は、可愛い。



『簪と同じ色なのね

貴方は、青が好きなの?』



俺にそう聞くお前は、穏やかな笑みを浮かべていて、それもまた、綺麗で。



「お前に一番似合う色が青なんだよ」



『誉めてる?』



「当たり前だ」


『じゃ、嬉しい』


満開の笑顔を俺に向けて、左手の薬指にはめた指輪を光にかざす。その姿が美しい。




「………俺は、お前が好きだ


お前の全てが愛しい



お前の事を、散々苦しめた俺が、お前を幸せに出来るかは正直言って自信がない


だが、お前はこんな俺を、愛してくれた



俺もお前がくれた愛を、全力で返そう




だから









俺と、結婚してくれ」






一大決心だったこの言葉を、お前は、



『良いわ』



間もなく、たった三文字で返してきた。




『そもそも、私がこの指輪を薬指にはめた時点で答えは出てるでしょうに

それでも聞くなんて、なんて欲張りな人


でも、そこが好きよ』









俺がオーダーメイドで作った、世界でたった一着のウエディングドレス。



お前にあげた、群青玉が良く映える、真っ白な、純白のドレス。







「では、誓いのキスを」



そう言った神父の前で、俺は、


顔を近付けた時に言った。





「世界一、愛してる」


『知ってるわ』




俺たち二人にしか聞こえない小さな声で。









『「愛してる」』




この言葉を、お前に送ろう。

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