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大人 [沖田] ページ26

「よく似合ってるアルA!!!!」


「あぁ、綺麗だ」



『ありがとう、二人共』



夏祭り。

3年の最後の夏だと言うことで、クラス全員で近所の夏祭りに行くことになった。


Aは、昔とよく似た白い布に、花をあしらった浴衣を着ていた。



あの時は照れて似合ってると言えなかった。




「言えないのは、今も同じでさぁ…」


ハァ、と溜め息を一つ。



そこに、



「おー、お前らじゃなねーか

女子は全員で浴衣か」



前から銀八が歩いてきた。



『銀八』



笑いながら銀八に近付くA。



「おー、A、よく似合ってるぞ」



『ありがとう』



当然かのように“似合っている”と口にできる銀八は大人だと思う。





「せんせー」



「お、何だ沖田」



「どうやったらアンタみてーにさらっとあんなことが言えるようになるんでさぁ」


「あんなことって?」


「それは…似合っている……とか…」



俺が恥ずかしがってるのに面食らったようだ。



「総悟くん、君、そんな顔できたの」




「うるさいでさぁ

さっさと教えてくだせぇ」



早口で言うと銀八は笑って俺の髪をクシャッと掻き回すように撫でた。



「大人になりゃ、誰でも言えるようになるさ」



そう言うと、来た道を真っ直ぐに歩いていってしまった。



「簡単に大人になれないから苦労すんでぃ」


でも、言えないのはやっぱり嫌だ。



「A」


呼び止めると、可憐に振り向くA。




「そっ…その格好……似合ってなくも、ないですぜぃ……」



つっかえながら言うと、笑いながら、



『ありがと』

と言う。



あぁ、大人になると、こんなにも、眩しい笑顔が見られるんだな。



大人になるのなんて、ゴメンだと思っていた。


でも。




「案外大人も悪くないですぜぃ」



独り言のように、小さく言った。



『総悟!!置いていっちゃうよ〜』



「待ってくだせぇ!!!!」



でも、まだ、子供のまま、この笑顔を見ていたいと思ったのは、誰にも言わない。

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設定タグ:銀魂 , 高杉晋助 , 真選組   
作品ジャンル:恋愛
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ルア(プロフ) - Nightさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!!!!これからも頑張りますのでよろしくお願いします!!!! (2019年3月24日 7時) (レス) id: 4db871a03f (このIDを非表示/違反報告)
Night(プロフ) - 完結おめでとうございます!ストーリーがとても好きだったのでハッピーエンドでの完結嬉しいです!これからも頑張って下さい!! (2019年3月24日 7時) (レス) id: a39d20f6cd (このIDを非表示/違反報告)
ルア(プロフ) - モンキーリボンさん» ありがとうございます!!これからも読んでくださると嬉しいです・▽・ (2019年3月24日 7時) (レス) id: 4db871a03f (このIDを非表示/違反報告)
モンキーリボン(プロフ) - 完結おめでとうございます!!ハッピーエンドですごく嬉しいです (2019年3月24日 7時) (レス) id: 322e7f136a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルア | 作成日時:2018年12月23日 10時

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