世界一愛する君の側へ

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時の鐘の鳴るとき、全ての身をもって暗示の鍵を見つけたれさし


さすれば道、開かりたりて、永劫の命をその手に、全ての想いを胸に取りたれ────








目を開けると真っ白な所に浮いていた。



─浮いてる?


《あぁ、起きたんだね
ごめんね

こんな危ない呼び方をして》



─テメェは…



見たことのある柔和な笑顔をした男。
目の前で頭を下げてきた。



《雪紫ノ宮神からの言伝て、彼女に言ってくれただろう?》



─…あの隣に居た男か




《うん、トキだ

でも、もっと言えば、僕は時影だ》




─時影?



《Aに聞いてないか

Aの兄の伊吹時影です
よろしく


と言っても前世でのだからね》





そう言う時影という男はサッと退いて、後ろの風景を見せてきた。





─ドア……





《彼処の中を通れば君はめでたく記憶を全て取り戻すことが出来る


ただし、人間の記憶の全ては残酷なほどに情報が多い
君一人でどうにか出来るものじゃない

長い時間が必要だ


それも、永劫の命を必要とするくらいね》




─…だから“永劫の命をその手に、全ての想いを胸に取りたれ”か

永劫の命は情報を整理するための時間
全ての思いは情報の中から俺の思う事を拾えってことだ




《話が早くて助かるね…

出来るかい?》




─やってやる



《…そうかい
じゃあ僕は止めない

……土産話だ、聞いてくれ


俺(・)と、お前(・・・)は昔からの馴染みだった》




そこまで時影が言うとこれで《これで言い残すことはない》と小さく呟いた。




《さぁ、高杉晋助
君の記憶を見つけてこい!!!》



茶色いドアの金色のドアノブを時影は思い切り解き放った。

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