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タクシーの中でも、壊理はどことなくソワソワしている様子だった。
私と相澤さんの間でちょこんと座る彼女は、ぎゅっと両手を膝の上で握り締めている。
「もうすぐ着くよ」
助手席でパンフレットのようなものを眺めていた通形さんが、タイムスケジュールをざっと教えてくれるとこちらを振り返った。
「緑谷くん、ワクワクさんだね！壊理ちゃん！」
「うん…！」
デクさんのクラスはバンドとダンス。
まだ到着すらしていないのに、ドキドキしてくる。…良い意味でなのか悪い意味でなのかよく分かんないけど。
人混みや個性に対する恐怖とか、それとは逆にデクさんたちがどんなパフォーマンスをしてくれるのかっていう興味とか、
色んな感情が渦巻いて……心拍数が上がった。
昂った感情を抑えつつ、雄英高校に到着。
この間とは比にならないほどの人の数とザワザワと話す声に冷や汗が流れた。
「……大丈夫か」
『あ、はい…』
私よりも先にタクシーを降りた壊理は通形さんと前を進んでいる。
私の顔色を伺うようにそんなことを尋ねてきた相澤さんは隣を歩いてくれる。
せっかく楽しみにしている壊理に心配をかけるわけにはいかない。
それに、私だって楽しみにしてたんだから。
自身で鼓動が脈打つのを感じながら、通形さんに続いて歩けば相澤さんのもっているクラス…、A組の人たちが溜まっていた。
·
「───は？緑谷が？」
私の横で、ワントーン声色を低くした相澤さんとそれに続いてA組の方々が文句を零す。
なにやらデクさんが買い出しに行ってから戻ってきてないとか。
…デクさんは、理由も無くこんな肝心なことをすっぽかすような人じゃないと思うけど。
でも待っていてもデクさんは戻って来なくて。A組の方々はそれぞれ準備を初めてしまった。
『デクさん、どうしたんだろう…』
ぽつりと私が呟いたのと同時に、相澤さんのスマホが着信を告げた。
……？
先に行ってろ、と手で合図を残した相澤さん。
そっと通形さんを見上げれば、優しく笑った彼は「Aちゃんもおいで」と手招きしてくれた。
…子供、じゃないんだけどな。
受け入れてくれるのは嬉しいけど。
「…デクさん踊らないの？」
慌ただしい雰囲気に、壊理も不安そうな表情を浮かべていた。
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ゆきんこ - 治崎廻さんが私の一番好きなキャラクターなのですが、夢小説がなかなか無くて自給自足しなきゃなぁ、と思っていたところ、この作品に出会いました。この作品が大好きです！続きもすごく気になります。更新頑張ってください。応援しています！ (2020年9月22日 14時) (
レス) id: 622aa4e7f6 (このIDを非表示/違反報告)
碧佳 - え、めっっっっっっっちゃ好きです!!!すんごい続き気になる〜！更新頑張ってください！ (2020年3月3日 12時) (レス) id: f33055e332 (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - ありささん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しい限りです！ (2020年2月17日 0時) (レス) id: 9e63868de4 (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - めちゃくちゃ好きですこの作品！めっちゃうちの読みたかったドストライクです！更新ファイトです！ (2020年2月16日 22時) (レス) id: 2c7a607a36 (このIDを非表示/違反報告)
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