2輪 ページ2
昔から何処か賢い子供だった。どこが、と言われれば全体的にだ。頭が回りまるで昔から生きているような、大人を相手しているかさえ思ってしまう達者な話し方。
伊黒侑珠羽、5歳。彼女は前世の記憶を持ってこの地に産まれた。前世では鬼という人を食べる悪鬼を狩る鬼殺隊として働いていた。前世の記憶がある彼女は他の子供より大人びており両親はそれを毛嫌いしていた。自分たちとは似て非なるオッドアイの瞳もその要因であった。
2歳になる頃侑珠羽は両親に売られとある施設にやってきた。そこでは個性を強化させる実験が行われており侑珠羽の個性は瞬間移動であったため稀に見ない希少個性だった。そこで侑珠羽は他の子達よりも長い時間実験対象となっていた。
「ゆーずーはーちゃん！」
ニコニコと侑珠羽に話しかけるのは同じく親に売られてこの施設にやってきた少女である。名前はないらしく、侑珠羽とは対象的な真っ白い髪色をしていたため侑珠羽は
『なに白亜』
「も〜！ゆずはちゃんは冷たいよ！！」
子供らしく侑珠羽の言動や行動を見ても侑珠羽と仲良くなりたい！と言ってきた白亜は、侑珠羽にとってはよき理解者になりつつあった。
「今日もじっけんあるのかなぁ？」
『ない日なんて無いでしょ。』
「でも白亜は昨日なかったよ？毎日あるのはゆずはちゃんだけだよぉ？
_______だいじょうぶ？」
『_______うん、大丈夫だよ。』
侑珠羽にだけ強いられている毎日キツい実験。それは大人が同じことをされたら恐らく死ぬであろう内容だった。侑珠羽はそれを断ることなどできない。
その実験を断ればこの施設にいる侑珠羽以外の子供を殺すと脅されているからだ。事実なのかは定かではないが侑珠羽は前世から自分のために他人が死ぬことを心底嫌っていた。だからだろう、抵抗せずに苦しい実験を耐えられるのは、もう誰かが死ぬ所を見たくないからだ。
「No.1、来い」
『…白亜、行ってくるわね』
「…うん。無事に、帰ってきてね」
小さく白亜に手を振り、逃げ出さないようにしっかりを手を繋がれたまま侑珠羽はその部屋から消えた。
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真白 - これまでに、ない感じのお話だ！(もしあったらすまん) (2023年1月27日 21時) (
レス) @page50 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
ミルヤ(プロフ) - るなさん» ちゃんと表記していない私が悪いのですが、設定の中にある（）の言葉は、このお話が始まった5歳の時のものを示しています。ご歳にしては低い身長、という意味を現してます。けして155センチが低いという訳では無いです。誤解させてすみません。 (2021年8月7日 22時) (レス) id: 414ea6103a (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - 155で低すぎる、みたいなこと書かれていらっしゃいますが、その言葉によって傷つく人が居ることを知っていますか？そして日本の女性の平均身長は157程だったので、別に低すぎる、という訳では無いと思います。 (2021年8月7日 21時) (レス) id: 4ee036a203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミルヤ | 作成日時：2021年5月31日 15時
