#29 ページ31
.
あぁ、ほんとうざぁい。
鈴森の警戒心の無さも
さっきから疼いてるこのモヤモヤな感情も。
『退けてください!』
俺の下で抵抗をしている鈴森。
しかし鈴森は女。男に力で敵うはずもない。
それなのに顔を赤くなるくらい、必死に俺の肩を押す鈴森。
え、何。かわいいんだけど。
俺の中で少し悪戯心が働いてしまったらしく、鈴森の両手を掴み動けないようにする。
こうして見てみると鈴森はそこら辺のモデルなんかよりもすごく綺麗な顔をしている。
パッチリとした瞳にピンクに染まった頬
困惑した表情は男心をくすぐる
これくまくんも見たんだよね。
『っ、瀬名さん離して!』
離す?
嫌だ。
____離したくない。
『いたっ‥‥』
「っ!?」
無意識的に鈴森の手を強く握っていたことに気づく。
パッと離して鈴森を見てみると
『‥‥っ』
泣いていた。
ドクン、っと心臓が嫌な音をたてる。
「す、鈴森っ」
『‥‥っん』
鈴森の涙は止まることなく流れ続けている。
なにしてるんだ俺は。
これじゃくまくんとやってること変わらないじゃん。
「__っ‥‥」
ごめん、そう言いたいのに何かが詰まったみたいに声がでない。
『うぅ〜‥‥痛いよぉ。』
ごめんね、という気持ちを込めて自分の手で鈴森の涙を拭う。
それに対してピクッと反応する鈴森。
そして、
『うはぁー!とれた!』
と、一言‥‥は?
『いやー、ありがとうございます瀬名さん!おかげでやっととれましたよ〜』
「はぁ?え、何。とれたって?」
『コンタクトですよ』
「は?」
『もー、痛かった痛かった。はぁ、コンタクトやめて眼鏡にした方がいいのかな。
ん?瀬名さんどうしたんですか?黙りこくっちゃって、うぎゃあ!?』
「よく聞こえなかったぁ。もう一度泣いた理由言ってごらん?」
『え、だからコンタクトがずれちゃってえぇぇぇ!痛い痛い!頭めり込む!離してぇぇ』
「はぁ、まったく」
俺が手を離すと
コンタクトよりこっちの方が痛かった。
と頭を押さえ込んでいる。
ていうかコンタクトって。
はぁ、心配して損した。
でも、
『そいやー!』
「うわっ!?ちょ、やめてよね!?」
頭グリグリのお返しです〜とか言いながら、髪をぐしゃぐしゃにしている。
さっきの涙が嘘だったかのように綺麗に笑っている。
バカで生意気で煩いからこそ目が離せないし、
___大切にしたいって思うんだよねぇ。
611人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めり(プロフ) - もう更新なさらないですか? (2021年3月28日 12時) (レス) id: 8b888e44fd (このIDを非表示/違反報告)
nekosugi - 瀬名君がやばいです!更新頑張ってください! (2018年4月12日 18時) (レス) id: f7266d588f (このIDを非表示/違反報告)
星羅(プロフ) - ポエモさん» そう言ってもらえるとすっごくうれしいです(*^-^*) (2018年1月27日 7時) (レス) id: 65e1c19534 (このIDを非表示/違反報告)
星羅(プロフ) - プリンさん» わー!ありがとうございます!期待に応えられるよう頑張ります!! (2018年1月27日 7時) (レス) id: 65e1c19534 (このIDを非表示/違反報告)
ポエモ - せないずめっちゃかっこいいです!心臓がもたない笑笑 (2018年1月24日 20時) (レス) id: 8066b1191a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:星羅 | 作成日時:2017年8月24日 21時