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3人の間に並ぶようにして、
様々な場所を案内されるうちに日が暮れて辺りは薄暗くなってきた。
ラ｢そろそろ帰るか、明日は学校を案内してやるよ｣
貴｢うん、本当に3人ともありがとう。
引っ越してからお友達できるか不安だったから…すごく楽しかった｣
じゃあ、と駅前で別れようとすると誰かが私の手首を掴んだ。
振り返るとベルトルトが少しだけ赤い顔を隠すように俯いて呟いた。
べ｢帰りは暗くて危ないから、送ってくよ…｣
勢いよく掴まれたのに、不思議と嫌な感じはしないその申し出に私はありがたく送ってもうことにする。
ライナーとアニはそのまま駅で別れるようだ。
・
貴｢ごめんね、遠回りさせちゃって｣
私の言葉にベルトルトは勢いよく首を横に振った、
｢全然！！そんなことない！！｣と少し片言にも聞こえる日本語に二人の間に笑いが起きる。
その会話を機に私たちは少しづつ沈黙を失っていった。
べ｢ぼ、僕はライナーの腰巾着みたいなものだから…あまり自分の意思とかを言うのは慣れていなくて、
保健室の時も上手く話せなくてごめんね｣
貴｢そうだったんだ、嫌われたのかなって不安だったよ｣
私の言葉にベルトルトはそんなことないよ！としんとした帰路に響くような大きな声で否定する。
その様子に私はまたおかしくなって、笑いが込み上げてきた。
(Aは直ぐに僕をからかうんだから＿＿)
貴｢？｣
夕焼けを背に並んで歩く姿にどことなく、デジャブを感じる。
私は前もこの人とこんな会話をしたのだろうか。
べ｢どうしたの？｣
急に黙り込んだ私を心配そうにのぞき込む彼の仕草が懐かしくて、私はその頬に咄嗟に触れてしまった。
この感覚、私は知っているはずだ。
べ｢ちょっ………え？｣
ハッとした時にはベルトルトが屈んだまま顔を真っ赤にしていて、咄嗟に伸ばした手を引っ込めようと後退りをした。
でもその手をベルトルトはしっかりと掴んで、離さなかった。
べ｢……懐かしい｣
温かい言葉だった。
私は引っ込めようとした動作を止めて、人のいない道端でずっとこの穏やかな時間が続いて欲しいとすら思った。
・
べ｢ごめんね、嫌だったよね｣
我に返った私たちは互いにそっぽを向き、景色を見ている振りをしていた。
貴｢私こそ…｣
今思うとなんてことをしでかしたんだと自暴自棄になる。
べ｢＿＿ったから｣
ベルトルトの声がより小さくなり私は聞き返した。
べ｢嬉しかったから……さ｣
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作者名：もか。 | 作成日時：2023年11月13日 7時
