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遠くで誰かが私を呼ぶ、
誰かの声。
私はその声をよく知っている、いや今は覚えていないのだろう。だから知っていたの方が正しい。
駆け寄ってくる男性の顔は未だに上手く見えなくて、影やモヤが掛かって歪んでいる。
早く、早くたどり着きたいのに。
男性は私に駆け寄ると優しく微笑んだ(ように見えた)
｢待たせちゃった？｣
私の返答を待たずして、男性は一人でに話し始める。
これは記憶なのだろうか。夢なのだろうか。
｢せっかくの＿＿とのデートだから格好よくしていきたくて、ごめんね｣
言葉の所々に砂嵐のような音が吹き込まれ上手く聞き取れない、私はそれすらもどかしいと思った。
差し出された手を私は拒むことなく握った様子から私はこの男性に好意を寄せているんだろう。
｢もうすぐだね、でも＿＿ば2人だけでひっそりと＿＿｣
限界のように砂嵐が激しくなり、目の前がぼろぼろと崩れていく。
リ｢A？｣
開かれた視界から白い天井と、覗き込むリヴァイさんの顔が見えた。
心配そうな顔をしているから、また迷惑をかけてしまったんだろう。
貴｢ごめん、また……｣
リ｢謝るな、ほら水飲め｣
起きられるか、と声をかけられリヴァイさんの慣れた手つきを借りて私は起き上がる。
貴｢あ、あのねリヴァイさん…聞いてほし｢失礼します……っ！｣
ガラリと戸を開けて入ってきた背の高い男性に、
べ｢す、すみません……ハンジ先生から見に行くように言われて｣
申し訳なさそうにこちらを見るベルトルトさんは不安げな顔でこちらを見ていた。
リ｢すまなかったな、緊張して倒れちまっただけみたいだ。
こいつのことは俺が送っていくから悪いが荷物を持ってきてくれるか？｣
貴｢あっ、で、でもリヴァイさん……っ、私｣
しまった、となぜだか思った。
リヴァイさん自身は別に学校でどの呼び方をしても構わないというのに、私は何に申し訳なさを感じたのだろうか。
貴｢リヴァイ先生……もう少ししたら、戻れます、せっかくの一日目なので…｣
リ｢そうか…具合が悪くなったらいつでも言うんだぞ｣
貴｢はい、あのベルトルトさん、もう少ししたら教室に行きます。ごめんなさい…迷惑かけて｣
彼の目を今一度見て、謝罪をする。
でも何も言わず、ベルトルトさんは礼をして保健室を出ていってしまった。
貴｢嫌われちゃった、かな…初日から倒れたりしたから｣
痛む胸に違和感を抱いた。
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作者名：もか。 | 作成日時：2023年11月13日 7時
