たとえ貴方が忘れても【進撃】 (ページ14)

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リ「勉強会？」

貴「うん、あの3人が教えてくれるって」

私の言葉にリヴァイさんは良かったな、と返してくれる。
それがなんだか嬉しくて私まで顔が綻んでしまう。

リ「学校で見かけなかったからまた体調を悪くしてるのか気になってな」

貴「心配かけてごめんね、いつも…私のために」

いいんだ、と優しく落ち着かせるようにリヴァイさんは電話越しで応える。
リヴァイさんにだって未来はある、これからも私の事だけを気にして過ごすのはどんな負担だろうか。

リ「ときにAよ、今日は診察の日だ。

邪魔をするつもりは無かったが帰ってきてくれるか？」

今日は月に一度の病院の日だということをすっかり忘れていた。
リヴァイさんは車に既に乗っているようで、なかなか来ない私に電話をかけたというところだろう。

貴「あ、うん！ごめん…忘れてた！

今すぐ教員玄関にいけばいいかな？」

慌てて教室の扉を開き、目を丸くした3人が視界に飛び込む。
なんと言い訳をしたらいいか分からないが、また機会をライナーに作ってもらう必要はあるようだ。

貴「ごめん、急用ができて。

また勉強会開いてくれないかな？」

ラ「もちろんだ、また都合がいい日を教えてくれ。

ああそうだ、連絡先を俺らと交換しないか？」

ライナーは私のおねがいににっこりと笑いかけると、他の2人にいいな？と促した。
アニもベルトルトも携帯をすかさず取り出しすぐに連絡先の交換をする。

なかなか増えないアドレス帳に3人も増えたことにじんわりと感動を覚える。
特に、

(ベルトルトの連絡先聞こうか迷ってたし……)

あの夕日を見つめた日以降、なかなか話す機会がなかったから今日こそはと思っていたのだ。
後で連絡するね、と3人に手を振り教室を後にする。

・

・

車の外で缶ジュースをふたつ持ったリヴァイさんが話しかけてくる。

リ「勉強会なんてお前らしくない」

リヴァイさんに私の心中など探るに値しないのだろう。
私の成績と前にいた学校の偏差値の高さを鑑みるに致し方ないが。

貴「すこし、気になる人がいて。

好きというか」

リヴァイさんは私にいちごオレを差し出すと、ほぉ、とおどろいた表情でこちらを見た。

リ「小さな頃は俺のお嫁さんになるなど言っていたが、もう心変わりか？」

意地悪な微笑みに親戚とは言えど跳ねる鼓動、

貴「もう！からかわないで行こう！？」

含み笑いをしているヴァイさんと車に乗り込んだ。