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ベルトルトside
ラ｢これは由々しき事態だ｣
Aが引っ越してきて数日というのにライナーは神妙な顔をして僕とアニを校舎裏に呼び出していた。
なんの事かは言わずともわかってはいたのだが。
ア｢そうだね、まぁ…想定内ではあったんだけど｣
Aは進撃高校に引っ越して当日からその愛くるしさと、朗らかな印象でクラスメイトの心を鷲掴みにしていたのだがどうやらそれに留まらなかったらしい。
べ｢今日はサッカー部の主将が告白したらしいよ…｣
Aは度重なる告白にも嫌な顔ひとつはしないものの、決まり文句で断っていた。
それも相まってAの噂は広まるばかりだった。
しまいにはリヴァイさんまで彼女の虜だと噂されていて留まることは知らなそうだ。
ラ｢運命の王子様を待っているのでお気持ちには答えられません、だっけか？｣
ライナーの一言で僕は熱くなる頬を抑えた、熱くなるばかりか緩んでいる。
ア｢にやけてる場合じゃないよ、だってそれは記憶がないって言ってるようなものでしょ。
それにアンタ達の過去の記憶ではリヴァイ兵長は薬を飲ませてまでA｣に執着してた。
変な記憶の取り戻した方をしなきゃいいけど…｣
たしかにアニの言う通りだ、どんなに苦しいことでも思い出してもらわないことには一方通行だ。
ライナーはしばらく何かを考える仕草をすると、
ラ｢まぁ、お前らの様子を聞くとそのままくっつく可能性もあるがな｣
あまり気負うなよ、とライナーは僕の背中を勢いよく叩く。
小さい頃からの癖だ、僕の不安そうな顔を見ると兄貴ヅラをしてくるところ。
ラ｢今日はあらかじめAに勉強会をしようと誘ってある、
おそらくあいつは頭がいいが習ってる科目や部分は違うだろうから成績優秀の俺たちが教えてやるって訳だ｣
帰りはまたベルトルトが送って距離を縮めろ、とニヤニヤ笑うふたりを窘めつつも放課後を心待ちにしている僕がいた。
貴｢3人ともありがとうね、テストも近いし範囲とか教えてくれる人いないか探してたんだ｣
放課後空き教室で僕ら4人は勉強会をすることになった。
Aは僕の隣にちょこんと座ると鞄から綺麗に畳まれたハンカチを取りだした。
貴｢ベルトルト、ごめんね返すの遅くなって。
なかなか渡す機会がなくて｣
転校初日泣いている彼女に貸したハンカチだった、フローラルな柔軟剤の香りが漂う。
アイロン掛けがかなり丁寧にされていて、少しの違和感を覚えた。
(？)
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作者名：もか。 | 作成日時：2023年11月13日 7時
