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乗り間違い5 ページ5

「そう……お腹の調子が悪いの?」

「はい。胃腸の、機能不全? みたいで……」

 不安気に訪ねるグレイシアに苦笑いで答える。

 実際は消化器官の欠落だ。合成獣になったあの日から自分なりに調べてみたが、おそらく元になった動物の食性に起因しているのだろう。
消化に問題があるだけでなく何かを口にいれると違和感があってえずいてしまうため、飲み物や流動食を少しずつ摂取するしかないのだ。

「それだったら、じゃがいものスープはどう? スープだけでも栄養があるし、油を少なく使えば消化にも良いと思うけれど」

 グレイシアが台所にある食材を確認しながらさらりと告げる。

「なるほど。確かにポタージュなら少しくらい飲めたと思います」

「じゃあ決まり! ぱぱっと作りましょ」

 そう言いながら鍋を火に掛けるグレイシア。

「良いんですか?」

「もちろん、だって皆で食べた方がおいしいもの!」

 屈託の無い笑顔を前にしてダリアは胸が熱くなる。グレイシアの家事を執り行う手際の良さ、機転の効いたアイデアにすっかり感服していたダリアは、ヒューズの惚気けっぷりに納得行くと同時に、ダリア自身グレイシアの密かなファンと化していた。


 湯気の漂う料理を慣れた手つきで配膳する間に、グレイシアは別室で遊んでいたエリシアとヒューズを呼びに行っていた。

「いただきます」

 一家が揃って食卓を囲む。勿論ダリアも。
 キッシュやスープなど暖かい香りが鼻孔をくすぐる。本当ならいろいろ味わいたいのを全て我慢していたところだが、今宵は具なしのスープは頂ける。たった一品でも元々食事をとるつもりは無かったので、ダリアとしては大満足だ。
 一時の団欒に加えてもらい、夕飯の穏やかで心地よい雰囲気も充分楽しんだのだった。

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設定タグ:鋼の錬金術師 , ロイ・マスタング , 市販書き(二次創作)   
作品ジャンル:恋愛
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ウィワクシア(プロフ) - もぶおじさん» コメントありがとうございます!!嬉しすぎてころげまわってました。精進しますので今後ともよろしくお願いいたします! (2019年3月20日 16時) (レス) id: 4474fbdae4 (このIDを非表示/違反報告)
もぶおじ(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからの展開に心を躍らせて待っております。体に気をつけて更新頑張ってください! (2019年3月20日 1時) (レス) id: d5af19b99a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ウィワクシア・D | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/793fed8a0b1/  
作成日時:2019年3月19日 14時

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