刀剣男士の本体に"だけ"「恰好いい」と言っていたら何故かこんなことになっていたんだが(男主) (ページ9)

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あわたぐちのはなし 2 ページ9

［甘いかもです(適度なつもり)］

息が切れている(普段運動しないから)僕を一期さんがエスコートしてくれている

もちろん僕は内心ヒヤヒヤである

そしてこのヒヤヒヤが、一期さんと繋がれている手から一期さんに伝わってしまうかもしれない、と考えると余計にヒヤヒヤしてしまう

手汗がひどいと思われないかな？

「…も……こ……すよ…」

手が湿ってる様な気がしてやまない………

と思っていると、足を何かが引っ掛かって重心が前に出る

つまずく…………！

あれ？斜めで身体が止まってる………………？

一期「主殿、大丈夫ですか？」

どうやら、つまずいた僕を一期さんが受け止めてくれた様デス

………この体制は恥ずかしい

だってね、一期さんの胸元に飛び込んでいったみたいな形になってるんですよ

そこに、一期さんが僕の背中に手を回してる……みたいな………？

悠「あの、一期さん………恥ずかしい、デス」

一期さんの胸元に飛び込んでしまっているので一期さんの表情は分かりません

一期「………」

なのに肝心の一期さんが黙りこくっているのだから、僕はどうすることもできないままでいた

抜け出そうにも一期さんにホールドされてるし

どうしようか悩んでいると、突然、僕の身体が浮いた

どうやら一期さんが僕を姫抱きしている様で、襖を閉めたときの「ストン」という音が耳元で聞こえた

かと思うと、今度は畳の上に降ろされる

降ろされたんだけど……………

一期「主殿………誘ったのは主殿です」

と僕に馬乗りになって一期さんが言った

そしてその一言を境に、一期さんの顔が近付いてくる
僕には逃げ道がないから意を決して目をつぶると、段々と影が差すのが分かった

額にふにふにとしたものがあたると、その影は段々と影を引いていった

…………完璧に空気が違った

というのも、流石に僕でもキスされたということは分かるし、いつも出陣から帰ったときキスをしてくれるけど、絶対にそれとは違う空気だった

………僕は、どうすればいいんだろう
これから皆さんと、今までと同じように接することができるだろうか

実はこのことがきっかけで、更に刀剣男士に拍車がかかることなど悠には分かるはずもない

そして、もう単なる恰好いい競争ではなく、誰が悠を落とせるか、という競争になることも