. 232話 神野の悪夢18 ページ6
認めたくない。脳が受け入れることを拒否している。しかし、この男が言っていることは真実だ。
この男を見た瞬間に感じた恐怖も、憎悪も。
死してなお消えない鬼城という男の感情が私の中に芽生えているから。
私が鬼の個性を制御出来なかったことも、鬼化の際に誰かの声が頭で響くことも合点がいく。
そして何より
私の中の記憶が全てを裏付ける。
『……あんたは、私に自由を与えると言った』
｢そうだよ、僕にはとにかくやることが沢山あってね。君の育成にまでは手が回らないと判断した。
だから君の親に育てさせることにしたんだ。それから君がある少年に出会いヒーローを目指し始めたことも知っていた。
だが君自身が強くなる意志を持ってさえいれば、まぁそれでも良かった。
…それからは地獄の日々だったね。両親から受けたヒーローにあるまじき扱いも、同級生からの執拗な虐めも、期待を裏切るヒーロー共も。｣
『……なんで、』
｢僕が君のたった一人の理解者だからだ。僕は君の事ならなんでも分かってあげられる。
試しに君の悩みを当ててみせようか。
…1度諦めた自分が、他を助けたいと思えない自分が、彼らの隣で再び前を向く事が本当に許されるのか。｣
『───………、』
｢みんな君の肩書きだけを見て君を見ようとしてこなかった。親がなんだ?君は君だろう?
勝手に鬼の個性を与えてしまったのは悪かったと思っている。けれど君を虐めた同級生は異常者だ。異形なんてざらだろう、まして君は一度も個性で誰かを傷付けたことは無かった。理不尽じゃないか。
君は何も悪くないのに。｣
オ｢A少女!!聞いては駄目だｯｯ!!｣
『……それでも、彼らは…A組の皆は、』
｢君は彼らの何を信じているんだい?
君の本来の姿を見ても同じように接して貰えると?離れていかないと?何を持ってそんな事を言える?
どうして彼らだけが特別だと思ったんだい。君は信頼なんかされてないよ。
ただ今までと同じ。それだけだ
だから君は誰も信じない｣
──自分の中にある、言葉に出来なかった感情を的確に表現された気分だった。どうして赤の他人にここまで知られているかなんてこの際どうだっていい。
｢僕は君を助けに来たんだ…さぁおいで。
君はここなら自由になれる｣
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マヨケリ(プロフ) - コメント失礼します🙇ほんとに面白くて一気に読んでしまいました！！ (4月22日 20時) (
レス) id: 25632ac130 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン - いつも楽しく読ませていただいています！個人的に夢主がめちゃくちゃ好きです！続き楽しみに待ってます！ (3月29日 19時) (レス) id: 4501a4fd46 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - あめみやさん» 読んでくださってありがとうございます。あめみや様のような応援コメントにいつも励まされています☺️ (11月13日 8時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - 久しぶりに見たら神野の悪夢編終わってて目が飛び出しました！これからもご自身のペースで更新頑張ってください！！ (11月11日 19時) (レス) id: dd94fd2279 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 司さん» ありがとうございます^^自分でもこの先どうなるのか分からなくなってきましたが完結までは必ず持っていきます! (9月16日 13時) (レス) id: 4d64a1450f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2023年7月25日 18時
