桜木軍団の紅一点は、バスケットマンたちに迫られています。2 (ページ34)

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鳴り止まない鼓動ページ34

俺は、その赤く光る瞳に吸い込まれそうに
なりつつ…その人を見つめる。

「アンタ、バスケ部なんでしょ？」

清「え？あ、はい！//////
海南大附属高校バスケ部1年！！
　清田信長でっっす！！」

「ふぅん…なら今度インターハイ予選でアタシの
幼馴染と当たるかもしれないってことだ」

清「えっ！なんでインハイのこと？ていうか
　お姉さん…どこの……」

「あー、アタシの幼馴染がバスケット部でね、
レギュラーなんだけどプレイが破茶滅茶で…
でも初心者なりに凄く頑張ってて、この間の
試合でも……」

清「……………」

その人がその幼馴染とやらのことを話す姿は
とても楽しそうだった。

「アタシはバスケ部じゃないんだけど…ソイツの
応援をするのが楽しくてね。もうバスケ部見物も
日課になってるの」

清「………な/////// 」

なんっっっって、健気な女性なんだ！！

　こんなに可愛くて綺麗なヒトに思われる奴！？
羨ましいぜ！！俺と交代して欲しいぃｯｯ！！！！！

「………だから、アタシの幼馴染のライバルになるかも
しれない人を放っておけなかったんだ。だからあの時演技
までしてあの中に入って行ったのに…」

清「っ！！…す、すみません…」

「？」

清「ど、どうしたんスか？」

女の人は「ちょっと見せて」と、俺の右手を握る。
うおぉ！？女性に…て、手を握られるなんて…母ちゃんと
手を繋いだ時以来！！！

「やっぱり、怪我してる」

清「あ？あ…本当だ」

さっきの不良にボール叩かれた時に爪が引っかかった
んだろうな…クソ、あいつらこのNo. 1ルーキーの手を！！

　すると、彼女はジーンズのポケットから絆創膏を取り出して
俺の右手の甲にﾍﾟﾀ…と貼った。

「はい、これでよし」

清「お、おぉぅ…あ、ありがとう！！/// 」

その女の人はフッと笑って俺の元を離れる。
そして赤いバイクに跨って、俺の方を振り返り…

「インハイ予選、頑張ってね！
うちの高校と当たった時はよろしく！！」

　と言い、バイクを走らせて帰って行った。
俺は…最後までそのバイクを目で追っていた……

　そして高鳴る鼓動……左胸を抑えても、鳴り止むことは
なかった。今日会ったあの女性にもう一度会えたら……

　また心臓が大きく鳴ってしまうだろう…

　こ、この現象が……ま、まさか！「恋」なのか！？

清「ｱｯ！あの人の名前聞いてなかった…」