第4話 儚い望み ページ5
アニが、女型の巨人だとバレた。
そして第104期生のなかに内通者がいるのではないかと疑われ始め、彼らは隔離された。
リオも例外ではない。
おまけに彼女はライナー、ベルトルトと共にアニと同郷だ。
しっかり監視されていた。
ライナーとベルトルトが、エレンとユミルを森へと連れ去り兵士たちがそれを阻止するため追いかけた。
その際、リオもその2人と共に抜け出す予定だったが、「アニをひとり置いていけない」と断ったのだ。
つまり周囲の人間からしてライナーたちと行動していないリオは今のところ内通者と確定したわけではなくなった。
その夜リオは、いつものようにあのベンチに腰掛け、“彼”を待った。
──裏切り者かもしれない人間に会いに来るわけないのに。
「よう」
聞き馴染みのある声が聞こえた。
──リヴァイだ。
「最近、お前が女型の巨人の仲間なんじゃねえかって疑われてるようだな」
リオは何も言わない。
そして、やっと話したかと思えば
「……なんで、私が疑われてるって知ってて話しかけてくるんですか」
とリヴァイを睨みながら言った。
「さあな」
やはりリヴァイはいつもと変わらない。
「私が、内通者だったらするんですか。もし私が本当に裏切り者で、アニのように巨人の力を持っていたら、どうするんですか。仮に今私が巨人化したら、負傷中の兵長が私に勝つのは難しいですよね。」
息継ぎもせず言ったリオは追い詰められたように苦しい顔をしていた。
「……それとも、巨人化する前に殺しますか」
「いいや、“まだ”殺さない。せっかく巨人の情報が手に入る機会かもしれねえのに、何も調べずに殺すなんて勿体ねえじゃねえか」
そんなリオにリヴァイは平然と言ってのけた。
「そう、ですか…。でも、もし私が内通者だと断定されたら兵長が、私を殺してください」
裏切り者の彼女の儚い望みだ。
「ああ、殺してやる」
そう応えたリヴァイの表情は、リオには伺えなかった。
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ああ - 短い作品なのにたくさんの思いが含まれている感動する素敵な作品ですね 他の作品も見させていただいてます これからも更新よろしくおねがいします (10月6日 10時) (
レス) @page8 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
めりー(プロフ) - とても素敵な作品ですねっ！✨💕︎ (2023年3月24日 10時) (レス) @page8 id: 4d1819db53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リオ | 作成日時：2023年3月7日 20時
