Fischer's BL短編集 (ページ18)

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ふと、シルクが口にした。

シ「なあ、モトキ……俺、お前のこと好きだ」

　「来年も、この先もずっとずっと、ずーっと俺の隣にいてよ。そんで毎年俺に作ってくれよ、このチョコ。俺も練習するからさ」

モトキは言葉を失った。

シ「……だめ？」

シルクは不安になり問うた。

モ「だ、だめじゃないっ！！」

　「俺もシルクの隣にずっといたい！」

シ「！ははっ、よかった」

シルクはモトキを抱き締めて、そっと口付けた。

モトキは静かに微笑んだ。

少し苦いチョコ。

でもシルクが作ってくれたから、普通のチョコよりも何千倍も美味しかった。

料理が得意になったシルクのチョコも食べてみたい。

けれど、彼には今のままでいてほしい。

料理が苦手でも挑戦する──それが一番シルクらしいから。

それに俺は、シルクの作る少し苦いチョコのほうが好きだからね。

──さて来年は、君にどんなのを作ろうか。

　喜んでくれるといいな。