双子の妹。【Another Story】 (ページ16)

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はじめside

Aを拉致していた犯人はおっさん達に連れて行かれた。

「A、お前な＿＿＿！」

「はじめちゃん！！！」

後ろを振り向いて怒ろうとした瞬間に泣いて抱きつかれた。

「はじめちゃ…怖かった…はじめちゃ…！」

「ったく…お前な…。」

泣きまくるAを抱きしめて優しく背中を叩いた。

「どうしてもっと早く言わなかったんだよ。」

「それは…。」

「俺に迷惑かけるとかそんなこと言ってるとこんなことになるんだろ？
前にも言ったじゃん。
友達…俺とA先輩家族で恋人だけど、だからこそ迷惑かけあって生きてくって。」

「でも…はじめちゃん…。」

「俺、そんな頼りないか？」

「そんなことない。」

「じゃあ、今度から俺に言えよ、絶対。

じゃないと容赦しないからな。」

「えっ…はじめちゃん？？」

「ほら、行くぞ。美雪達が待ってるから。」

「う、うん。」

Aは少し不安そうな顔をしていて、

「もう大丈夫だから、俺もいるし。」

「ありがとう。」

その時俺はAの手を握って一緒に歩いた。

俺はAを危険な目に合わせやしない、絶対に。

絶対にAを守る。

じっちゃんの、名にかけて。