ゼイチョー｢払えない｣にはワケがある【２】

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Youside












「保育課はどうでしょう？」












「えっ？」












「子どもが保育園に通っているのなら、
保育課に相談すれば臨宅するタイミングが分かるかも知れません。」












『さっすが百目鬼ちゃん。』











「保育課が対応してくれますかね？
同じ役所内といっても縦割りですし。」











「そういう時はいい手がある。
難しい用件がある時は「上」から攻めんだよ。」











「「上？」」












『上、ねぇ…』










私と増野と饗庭と言えば3人で早速保育課に向かうことになった。
保育課に着けばやっぱり忙しそうな感じだ。











「すごいっすね。」











「ここは戦場だな。町田課長。」










饗庭が声をかけたのは保育課の課長。












「納税課の饗庭です。」












『白雪です。』










「あなたたちですか。また何か用でも？」










「上って課長のことですか。」










『なに、もっと上じゃなきゃ不満？言うね、増野。』











「僕何も言ってないっすよ。」










『嫌いじゃないよ〜。』










「何も言ってないっすって。」










なんて冗談を言いながら町田課長に相談を持ちかけた。











「え〜っと、木下祐介。
あ〜確かに、園の保育料も滞納してますね。」











「だったら協力しませんか？
あっ、納税課として臨宅しますので保育課は1人、










担当者を出してくれれば大丈夫です。
人手不足っぽいっすもんね。」











「まぁ、そういうことでしたら担当は…板谷！」











「はい。」











「悪いけど、納税課に協力してくれ。」










「はい。」











板谷と呼ばれた女性は町田課長からファイルを受け取った。











「お願いします。
早速なんですけど、木下さんと直接お会いすることできます？」










「そうですね。うちでは手が回らなかったのですが…
園のお迎えのタイミングなら。どうでしょうか？」











「なるほど。じゃあ一緒に。」











「はい。」










「早くほらほら。」










何故か手を真っ直ぐ差し出した饗庭。

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