捜査依頼 ページ8
Noside
埼玉県の人気のない雑木林の中、一人の女性が立っていた。
名前は鍵等A。現在・警視庁を休職中であるが警察官だ。
普段かけていないメガネをかけている。
黒縁メガネのシンプルなメガネだ。
Aは手頃な枝がないか物色すると、ある一本の枝に目をつけたようだ。
そして、おもむろに強度のありそうなロープを鞄から取り出した。
ロープの一端を放り投げて枝に引っ掛けると、もう片方を作った。
それはまるで首吊り用のロープのようだった。
「事件の捜査依頼?」
『薫ちゃんだけにお願いしたいの。』
所変わって喫茶店。
あのあとAはメールで薫を呼び出していた。
「捜査って…何の?」
『それは…。』
Aは一瞬言おうとしたがある人物の姿を見て口籠もる。
「A?」
『一人で来てって言ったんだけど。』
「あっ?」
薫が振り向けばそこには右京の姿があった。
「右京さん、何でいるんですか。」
「君と電話相手の会話が気になった物でしてね。」
『薫ちゃん??』
「あ、いやいやいつも通り電話しただけで。」
「会いたい、事件の捜査依頼。」
『…はぁ…。』
Aは頭を抱えた。
昔から薫は嘘が付けない、それをわかってはいるが少しは学んで欲しいと。
『…すみません、用事があるので。』
「おや、用事とは亀山君にでは?」
『杉下さんには関係ありませんよね?』
「にしたってお前、手帳もないのにどうやって…。」
『こっちはこっちでやることあるから。』
Aは右京に立ち上がって会釈をして喫茶店を出た。
「ちょっと右京さん。今のは無いですよ。」
「はい??」
「Aから事件の捜査依頼聞き出す為にここに来たわけで…って、聞いてますか?」
「聞いてますよ〜。」
「あの、さっきから何してるんです?」
「何の土ですかねぇ。」
「…右京さん。」
先程までAが座っていた席の足元には、土が落ちていた。
右京はゆっくりとその土を採取して、その足で薫と鑑識に向かった。
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Rei - いつもゆうりさんの作品を見て感動してます!!応援してます!!頑張ってください!! (10月22日 20時) (レス) @page17 id: 1ac691a90a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年9月14日 23時