▽ ページ13
Aside
「こんな時ですが薔薇風呂をご用意いたしました。」
「薔薇風呂!おっ!」
部長がすぐに反応して駆け寄ってきた。笑
「こちらがA様。この薔薇は"ルイ14世"でございます。」
「すご、イニシャルが入ってる。可愛い。」
「こちらは…。」
「アカネだ〜!」
「で、こちらはH・K。金田一様の分でございます。
トゥールーズロートレック。」
・
大浴場だから期待したのに…くっそ〜、A!
「野郎だけで薔薇風呂。」
隣で湯船に潜っていた部長が顔を出して一人で楽しそうだ。
「この薔薇が"蓮花"。で、こっちが"美咲"。」
「うわ〜部長が、また壊れた〜!」
「えっ?」
「薔薇に女の名前付けるとかついて行けないんですけど。」
ないない…趣味が。
「ちょ…"蓮花"と"美咲"って薔薇なの。俺の親父が、
薔薇の研究やってて小っちゃい頃から好きだったんだ〜、ハハ。」
部長の肩を見ると、何故か傷。
「あぁ〜!部長、ケガしてるよ。すげぇ痛そう!」
「あっ、あっ、あっ、これは、やけどの痕だ。」
「あっ、そうなの?」
「いい匂い!」
隣からAの声が聞こえた。
「A!そっち、もう入ってんの?」
「これからだよ〜。」
・
はじめちゃんの声ってこんなに聞こえるもんなんだ。
「あっ、お邪魔します。」
お湯に浸かって居たのはジゼルさんだった。
ジゼルさんは私の顔をみるなり湯船を出てタオルを巻いた。
その後、歩いている最中にタオルが取れて背中には…大きい、
十字架のやけどのような傷痕が残っていた。
90人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年3月15日 18時