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Aside
にしても懐かしいなぁ…ほぼほぼ、授業は半分寝てたけど←
「そうそう、融解熱習いました。」
「はじめちゃんが覚えてるって珍しい。」
「俺だって覚えてることくらいあるっつうの。」
「「ありがとうございました。」」
少しふざけながら会話をして、匠くんのお父さんにお礼を言う。
「気をつけろよ。」
一旦振り返って、クーラーボックスを確認した。
あれ…名前が、今井龍也…?
「あの、すみません。おじさんが、今井龍也さん?」
「あぁ、そうだけど。」
「島津君のお父さんですよね?」
「島津というのは元女房の名字なんだ。」
「いや、じゃなくて…今井龍也さんって、春菜ちゃんのお父さんじゃ…?」
「春菜ちゃんのお父さんと私は、同姓同名なんだ。
この辺りはね、多いんだよ。今井っていう名字。」
数珠があの倉庫に落ちていたことと、
みんなのお揃いの数珠が一斉になくなったことと、
あの倉庫の蛍光灯が替えられていなかったこと。
「あ、そうじゃあ気をつけてね。」
「じゃあね!」
それに春菜ちゃんの…"白はね、希望の色なんだよ"という言葉。
"同姓同名なんだよ。"
"うれしい色だったはずが許されない色だった。"
そんな…まさか…そんなことが…。
「「おっさん/剣持さん。」」
「はじめ、A。お前ら、この件から手、引け。
今回ばかりはお前らも、しんどいだろ。
お前らの大切な友達が殺されてる。俺の、せめてもの親心だ。」
「「親心か…ありがとな/ね、おっさん/剣持さん。
でも…俺/私は、金田一耕助の孫だ/なの。
引き返すわけにはいかないんだ。
それにたった今…
謎は、全て解けた。」」
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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年3月13日 12時