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はじめside




どうにかしてこの状況抜け出さねえと…だけどどうやって?
Aの手を借りてもいいけど…アイツを巻き込む訳には…。




あ…トイレ?




「痛って!痛ててて…。」




「何だよ?」




「いや、ちょっとお腹の調子が…トイレ行ってもいいっすか?」




トイレの中に入って上から抜け出せないか確認する。
ここからなら…行けるか!




フロントロビーの所までどうにか抜け出して、
使われていない冷蔵庫の中に隠れて刑事たちをやり過ごす。




「まずいな…。」




「金田一さん!




こっちです。」




確か…催眠術のショーで龍って言ってたよな。
龍の提案でダンボールの中に俺は隠れて移動した。




「君。ちょっとそのダンボールの中を見せてもらおうか。




ご協力ありがとう。」




畠山さんか…この声。




「もう大丈夫です。」




「ナイスアイデアだな、龍。」




龍と一緒にホテルの駐車場まで移動する。
…やっぱり出入口には警察もいっぱいだよな。




「これから周辺の捜索に当たる。」




「はい!」




…あれ、あの男の人達…どっかで…。




「あっ、あの人達。殺された赤い服の女の知り合いだ。
もしかしたら、事件について何か知ってるかもしれない。」




あの車を追いかけるように走って龍と外に出る。




パシッ




誰かに腕を掴まれて後ろを確認すると、




「A…!?」




今にも泣き出しそうな顔で俺を見ている、




今すぐにでも会いたかった、俺の愛しい人だった。

▽→←▽



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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年3月10日 17時

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