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Aside
そしてショーの会場について席に着く。
佐木くん、真壁先輩、美雪ちゃん、私、はじめちゃんの順番で座る。
「先輩、まんじゅう食べたい。」
「お前、だるままんじゅうのことばっかりだな!」
「それではご登場いただきましょう。
奇跡の催眠術師川上剛史!」
そして例のチラシの人物がどん場に立っていた。
「キングドラゴンホテルへようこそ。今日は、
催眠術師の奇跡をご覧いただきたいと思います。」
小さい男の子が川上剛史の前に出てきた。
「随分、若いボーイさんですね。お名前は?」
「あ…道場、龍です。」
「じゃあ龍君、君の望みを何でも、叶えてさしあげよう。」
「じゃあ、空をとんでみたいとか?」
龍君の顔の前に左手をかざした川上は、次に右手を持った。
そして次の瞬間に、龍君は浮いた。
…うさんくさ、ただの空中浮遊マジックじゃん。
「マジかよ!浮いてんじゃん!」
「「ただの空中浮遊マジックじゃん。ウケる。/うさんくさ。」」
「ちょっと2人とも…声が大きいわよ!」
「えっ?笑」
私達の方へ気づいた三上が、歩み寄ってくる。
私とはじめちゃんの間に立った三上。
「え?俺?」
はじめちゃんは自然と私を守る様な体勢になった。
「君の望みは?言ってみて。」
「いや、別に俺は…。」
三上がはじめちゃんの顔の前に手を掲げた。
「あっ、あれっ?先輩。」
「君の望みは?」
「望み?」
「きっと心の底にあるはずだ。」
はじめちゃんは虚ろな目をして力なく立ち上がった。
この催眠術師…どっかで会ったこと…ある、、?
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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年3月10日 17時