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Aside




ガシャン!!
閉じ込められてる部屋で音を立てた私達。




「どこだ?どこ行った?」




扉が開かれてその後ろに三人で隠れるように立つ。
そして自動で扉が開き、その瞬間に私が拳銃を持った。




ごめんはじめちゃん…段取りと違うのわかってるけど、許して!




「そんなものお前に扱えない。」




「教えてくれ。巌窟王って何だ?あの洞窟で何があった?」




私ははじめちゃんが話している間ずっと、拳銃を持っていた。
目の前にいる男に向けて。




「いいだろう。話してやるから、その銃下ろせ。」




「A。」




はじめちゃんと顔を合わせて銃を降ろした。




「ホテルのロビーで俺に届いた写真だ。」




そう見せられたのは、男の人が横たわっていてその遺体に、
"巌窟王より"と書かれた紙が矢で突き刺された後だった。




「「巌窟王?」」




「その写真に写ってる神山と殺された藤井文香って女と四ノ宮は、
大学時代に考古学を専攻してた俺の仲間だった。12年前、
俺たち四人は狩谷周平っつう考古学教授とその子供を連れてあの洞窟へ行った。
それから12年、誰もあの洞窟には近づかなかった。」




「ひどい。」




「フランスの小説に"巌窟王"っつうタイトルの本がある。
味方に騙されて暗い洞窟に幽閉された男が、裏切り者に次々と復讐して行くっつう話だ。」




「あの洞窟には死体は一つしかなかった。」




「そうだ、狩谷の子供は生きてた。
12年間生き延びてあの洞窟を脱出した。」




「そのコは幾つだったの?」




「まだ子供だった。14〜15歳だ。」




「「ってことは今、26歳か27歳。」」




「そして、巌窟王を名乗ってる。」




「あんた、誘拐事件のこと知ってるか?」




「誘拐?何の話だ。」




誘拐事件って…あのホテルのオーナーが誘拐されたってやつ?
その話途中で車が置いてあるところの中から着信音が聞こえた。




「Aはここで待ってろ。」




「…わかった。」




はじめちゃんは近くに置いてあった拳銃を持ってその音の方向へと歩いて行く。

▽→←▽



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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年3月10日 17時

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