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Aside
剣持さんの様子を美雪ちゃん達に任せて、
私は一人ではじめちゃんをホテル中走り回って捜していた。
だけど見つからない…走っても、走っても。
諦めかけた時、もしかしたらと思って出入口の駐車場に向かった。
なんで向かったはわからない。
何故かそこにはじめちゃんが居る気がして、ただなんというか、
双子の勘。
「はじめちゃん…どこ行ったの…!」
なんで逃げてるの?
私を巻き込まない訳にはいかないとか、また考えてるの?
「会いたいよ…はじめちゃん…!」
そんな気持ちで駐車場に着いて、出入口の所である車が出発した時だった。
はじめちゃんと、多分ホテルの子…龍って子と一緒に走ってて、
私はそれを追いかけるように走ってはじめちゃんの手を掴んだ。
パシッ
「A…!?」
会いたかった、すごく会いたかった。
短時間しか会ってないのにこんな気持ちになるなんて。
「どうしてお前がここに…。」
「はじめちゃんこそ何で!?
私…はじめちゃんのこと信じたい。だから、一緒に逃げる。」
「何言ってんだよ!お前は美雪達と一緒に…。」
「高遠遥一が絡んでるかもしれない。」
「っ!?
A…。」
「これは私の勘だよ。
それだったら尚更私は放っておけない。
はじめちゃんとこの事件解決する。」
「…だったら、俺の傍から離れんな。」
一旦離された手は、私の手を再びはじめちゃんが掴んで、走り出した。
私とはじめちゃんと龍君は、駐車場に停車して居たタクシーへと乗り込んだ。
「「前の車を追ってください!」」
双子だから言わなくてもわかる。
それに、何故かどこにいるかも双子の勘なのかわかっちゃうんだよ。
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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年3月10日 17時