金田一少年の決死行 ページ2
Aside
閉じ込められた洞窟の
果てしない暗闇の中で抱え込んだ絶望と憎しみ
12年もの歳月が生み出した憎悪の化身 巌窟王
その復讐に手を貸す 犯罪プロデューサー高遠遥一
彼らが仕掛ける巧妙な罠は
はじめちゃんを連続殺人事件の指名手配犯に仕立てあげて行く
・
「え〜"巌窟王"は19世紀フランス文学の代表作であり、
無実の罪で幽閉された主人公が自分を陥れた友人達に、
次々と復讐して行くお話です。」
私とはじめちゃんは例のごとく国語が赤点だったので、
放課後の補習を受けている。
そして隣にいるはじめちゃんは寝ているわけで、
私も眠くてついあくびをしながらペン回しをする。
「正式名称は"モンテ・クリスト伯"。
書いたのは、アレクサンドロス。」
「…zzz10円ちょうだい!」
「…!?」
隣に居た私は思わずペン回しをしていたペンを落とした。
…ってか、なんの夢見てたの?
「何?はじめちゃん…どうしたの?」
「あ…。」
時すでに遅しとはこの事か、と先生とはじめちゃんを交互に見る。
「おい金田一、お前何の夢見てたんだ?」
「はい!金魚すくいです!」
「ん〜?来週までに"巌窟王"の感想文原稿用紙10枚!
書いて提出だ!いいな?」
「え〜?」
私は先生と頑張って目を合わせないようにしている。
目を合わせたら私も巻き込まれそうで…。
「A!」
「は、はい!?」
先生に呼ばれて思わず立ち上がった。
「お前も、双子の兄の金田一と同じ原稿用紙10枚!
授業中にあくびとペン回しするなんていい度胸してるな?」
「そんなぁ〜!!先生の鬼!!!」
「原稿用紙10枚、書いて提出!!」
はじめちゃんを思いっきり睨む。
全部巻き込まれたのははじめちゃんのせいだかんね!!!←
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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年3月10日 17時