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Aside
私は、いつもの高いところで空を見上げる。
今日はあまり良い天気ではなく…曇り。
「サブロー…恒興様…。」
「A。」
「帰蝶様。」
「大丈夫じゃ、必ず帰ってくる。」
真っ直ぐずっと見つめて…手を握って帰りを待つ。
ただ帰りを待つだけを何度続けたことか。
こんなときにいつも思うんだよ、サブローや皆のことを、
こんなことでしか支えられないんだって。
「帰蝶様…？」
帰蝶様が何かに気づいて、下へと降りて行く。
私もその後について行き、入口の所で止まる。
なんか、すごい胸騒ぎがする。
その胸騒ぎの後、煙の中からサブローの姿が見えた。
「帰蝶。A。」
「よく戻ったな。」
遠くから微かに聞こえたカチャという何かの音。
この戦国に来てから何故か耳がよく聞こえるようになっていて。
「待って…サブロー！！！！」
「…え？」
パァァァン！
私はサブローの元へと走って、サブローを力いっぱい押し倒した。
その直後に私の肩に撃ち抜かれたのは鉄砲の弾丸だった。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
サブローside
銃声が聞こえたと思った途端、Aは走って俺を付き倒した。
「嘘だろ…？おい！」
「…うっ…。」
「A！！」
帰蝶もAの名前を呼んで俺の方へと走って駆け寄ってきた。
Aの肩からは血が止まらずにどんどん流れ出てくる。
「おい、A！しっかりしろ！」
「A様！？A様！！」
「A様が撃たれた！！何奴じゃぁ！！」
「A…返事しろ！A！！！」
流れ出てくる血は俺と常ちゃんの手を真っ赤にさせて、
Aの顔色はどんどん悪くなる一方だった。
なんで俺を庇ったりなんかしたんだよ！！！
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作者名：反町ゆうり
| 作成日時：2022年1月11日 19時
