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はじめside
屋上で撮影が続けられ、Aの事を見守る。
「あんたなんかに主役の座は渡さない!」
「私はただ…お芝居がしたいだけなの。」
「はい、カット!OK!」
「よし!」
「今日の撮影は以上でお疲れ様でした。」
・
撮影が終わって、映研の部室で制服に着替える。
「やっぱり見惚れちゃうな、黒河先輩の演技。」
「ホント、私もついて行くのがやっとで。」
バンっ!
「何それ?主役を降ろされた私を哀れんでるの?」
「あっ、いや…そういうことじゃなくて…。」
「あんたさえいなければ、次の作品で芸能界デビューできるかもだったのに。
あぁ…蔵沢のせいで私の夢がめちゃくちゃよ。」
「すいません、私のせいで。」
私なんか、居る意味ないよね。
まぁそれはとっくに、わかってたことだけど。
「お疲れ〜!!」
「ちょっと、何入ってきてんのよ!?」
「ちょっとノックしてくださいよ。」
「そういうつもりじゃないのよ〜!」
「じゃあどういうつもりよ!!はじめちゃんのバカ!!!」
さすがにこれは無い…まだ着替え中!!!
・
「…はじめちゃん。」
「びっくした、Aか。」
「帰ろ?」
「おう。」
着替えたあと待っててくれたみたいで、はじめちゃんとその日は二人で家に帰った。
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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年2月27日 8時