耳が聞こえない少女 【沖田総悟】

続。その後1 ページ42

·



ーー私は今、とてつもなく危機的状況に陥っている。


何故かって？それは、





モブ｢君1人ー？俺らと遊ぼーよー｣

モブ｢君可愛いから何でも奢ってあげるよー？｣




目の前にはチャラく歳の近そうな2人の男性。1人は私の肩に手を置き、1人は私の右腕は物凄い力で掴んでいる。


ただ普通に絵を描いていただけなのに一体何がどうしてこうなってしまったのか…もはやそんな事考える暇もなく、男は｢ほら立ってー｣と腕を引っ張る事数分。


(…どうしよう。)






こんな事なった事ないからどうすればいいのか自分1人では解決策が見つからない。


しかも、こんな甘い優しい声で言われたら、この人達はいい人だと勝手に頭の中で考えてしまう始末。






｢は、話してください…、絵が描けないです…｣

モブ｢えー遊びに行こうよー｣

モブ｢オレら何でも付き合うよー？｣





え、ならいっその事此処に座って一緒にお絵描きして欲しいです。

…と思いはするが、直ぐに下唇を噛んでそれを言うのをグッと堪えた。だってこの人達、絵を描くとかそういうの好きそうに見えないから。



相手は全然諦めてくれそうにないし、今日はもう家に帰って大人しくしてよう。そう思い腰を上げた時







｢A｣

｢···あ、｣






｢何してんですかィ｣とズボンのポケットに手を入れて風船ガムを膨らませた沖田さんが現れた。

2→←2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す