耳が聞こえない少女 【沖田総悟】

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｢･･･よォ｣



･

ふと耳元で聞こえた声。


聞き覚えのあるその声にクスリと笑う。





｢こんにちは、沖田さん。見廻りですか？｣


『まぁな、そっちはまた絵を描いてるんですかィ？』




…また？




『馬鹿チャイナに聞きやした、あんたはいつもここで絵を描いてるってねィ』


｢あぁ！そうでしたか｣



…あれ？

よく考えたら、沖田さん



メモ帳に言葉を書いてそれを読ませてくれてる…。





｢…ありがとうございます。わざわざ書いてくださって…｣


『いいんでさァ、…で今は何を描いてるんですかィ？』


｢…あ、これは今────｣




公園の風景を描いてるんです。





『公園？楽しいんですかィ？』


｢はい、何だか世界が広く見えて…｣





楽しい…と言うより面白いかな。



私は音が何も聞こえないから、この風景だけでも楽しみたいし。元から絵を描くことが趣味のようなものだったし。




｢凄い、ですねィ｣

｢ふふっ、カタコト｣




でも、ありがとう。

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