小さな石ころは戦場の中で恋をした【時透無一郎】

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『…動いた……!!動いた!できた!!』




私は飛び跳ねて喜んだ
そしてもう一度岩を押してみた




『う……あれ?さっきより力が出ない…』




思いっきり息を吸い、もう一度挑戦してみると、先程よりも時間がかかったもののまた3寸ほど動いた

どうやら呼吸が大事らしい
回復の呼吸というのも集中して息を吸っていたからだ

そのことに気付き、今度は肺の使い方を意識して押してみた

自分の体内に酸素を多く取り込み、血液を沢山回す





『お……おぉ…!!結構動く!凄い!
………っはぁ…でもだめ……すぐ疲れちゃう』





私がへたり込んでいると
突然悲鳴嶼さんが木の陰からでてきた





「…まさか、この数時間で動かしてしまうとは……12寸も……恐れ入った。すぐにでも次の段階に進もう。」





視察に行ったはずではと聞いてみると、どうやらずっと木陰で私の様子を見ていたらしい

数時間であの岩を動かせたのは私だけと言っていた。それに、少し動いただけで辞めず、更に高みを目指しているところに感激した、とお褒めの言葉を頂いた


結構その日は私の希望でずっと岩を押して呼吸の仕方を私なりに覚えた

途中、休憩の時に食べた握り飯がすごく美味しかった!






2日目、今日は鬼殺隊のこと、鬼のことを詳しく教えてもらいながら、体力向上を目指すという意図で悲鳴嶼さんと話しながら走り込みをした

これがかなりきつい。

山を登ったり下ったりして、息が凄く乱れた


しかも悲鳴嶼さんは足がめっちゃ早い。私はそれについていきながら話さないといけないから呼吸と会話を同時進行するのは本当に疲れた

なんで悲鳴嶼さんはあんなに足が速いんだろう…
大きい体なのに身軽だから怖い



岩を押す時に私がしていた呼吸は訓練を積まないとなかなかできないと教えてもらった

正直嬉しい

褒められると意欲が湧くからもっと頑張ろうと思った



それから16日ほど走り込みが続いた

2日目で色々なことは教えてもらっていたので話すことが無かったため、歌いながら走るよう言われた

会話しながら走るより全然キツかった

私がサボらないか横で歌を聞かれてたし、何より歌となると声を伸ばし続けたりするからまじできつい

途中でしゃっくりが出て恥ずかしかった







多分25日目

最近修行がきつすぎて疲れて寝るのが早くなって日記書けてなかった

最近は滝修行をしている

念仏を唱えなきゃいけないし、異常なくらい川が冷たい。首もげそう


滝に打たれている間、いつも悲鳴嶼さんは足元を火で炙って岩や丸太を抱えながら見てくるから怖い


心頭滅却すれば火もまた涼し…?
…火傷しますよ………

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