にじゅうなな ページ31
しばらく三之助と弥彦の睨み合いが続き、廊下の雰囲気がピリピリしてきた頃。
耐えきれず声を発した。
「…あ…の、」
二人ともが一斉に琴子の方を見る。
「すごく…重いから、どいて…」
今まさに琴子の上に跨っている三之助に向けてかすれた声で発した。
三之助は琴子の腹、と言っても少し上、鳩尾あたりに跨っていたので肺が圧迫されて苦しい。
「なんで天女なんか庇うんだよ」
しかし無視。
琴子の方を見もせずに、弥彦を睨みつけている
三之助。
三之助が弥彦の方を向いたときにようやく苦無が降ろされ、琴子は好機とばかりに、上半身をよじる。
三之助も負けじと琴子を廊下に押しつけるが、弥彦に気が向いているためかさっきより力が弱い。
しばらく抵抗したあと、最後の最後で気力を振り絞り、三之助を振り落とした。
その時反動で廊下に肘をぶつけたが致し方い。
琴子は廊下に這いつくばる形で寝転んだ。
ようやく腹の圧迫感から逃れられた琴子は、腹を擦りながら溜め息を吐く。
振り落とされた三之助は琴子をひと睨みしたが、再び弥彦の方を睨みつけた。
「お前は一番近くで見てただろうが」
低く、威圧感のある声。
「先輩が騙されんのも、後輩が殴られんのも。それをする天女も。一番近くで見てたんだろ」
琴子は前の天女についてはなに一つ聞いていない。
だから、三之助と弥彦が話していることはあまり詳しくは知らないのだ。
ただ、二人ともが、学園の生徒がみんな傷ついていていることは痛いほどに分かる。
「…近くで見てきたからだよ」
掠れるよな弥彦の声に三之助は不機嫌そうに顔を歪める。
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セナ(プロフ) - Ry osdさん» ありがとうございます!とても嬉しいです!励みになります!今はスマホの方で書いているのでIDが違います。ややこしくてすみません。 (2020年3月29日 3時) (
レス) id: 9a1a35c746 (このIDを非表示/違反報告)
Ry osd(プロフ) - ゆっくりでいいので楽しみにしてます。 (2020年3月29日 1時) (レス) id: d9cf167b43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：利世 x他1人 | 作成日時：2020年2月22日 14時
