海～これはあなたとの運命の出会い～ (ページ8)

今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:3,639 hit

海:大倉side ページ8

『え？？』

村「だから、なんでお前その歌知っとんねんってゆーとるやろ？」

丸「え？！先生、どういうこと？！」

村「丸山、ちょっと大倉と話したいから。すまんけどちょっと外してくれへんか？」

丸「あ、、、。はい。」

あ。丸ちゃん、行ってもーた。

てか、どういうこと？
なんであの歌に先生が関係すんねん。
先生の勘違いちゃう？

って、言いたいけど、、、。
いつも笑顔の先生がすっごい険しい顔で見てくるから言えるはずない。

村「大倉。その歌、どこで知った？」

『え？』

村「言えや」

『ぇっと、学校の帰りに聞きました。普通に…学校帰りに会った人が歌ってて。』

村「その、歌ってた人って男か？」

『は、はい。』

村「同じくらいの年齢か？」

『はい。』

村「そいつの名前は、……安田章大か？」

『……。はい。』

ちょっと待てよ。状況が追いつかない。

なんで先生はヤスのこと知ってるんや
先生とヤスってどういう関係なん

意味わからん。

村「やっぱりか……。はぁ。」

『あ、あの…。どういうことですか？』

村「お前、安田と仲良いんか？」

『仲良いっちゃ仲良い(？)ですけど。
連絡先も交換してますし。』

村「最近、転校してきたお前に聞くのもあれだが、1年前に起きた《1D差別暴力事件》って知ってるか？」

先生が普段通りの声量で言った。

その言葉がクラス全体に氷の魔法をかけたように、さっきまで騒がしかった教室が一瞬で凍りつき、静まった。

村「おぉ。なんや！お前らも知ってんのか！」

先生がさっきよりも数倍、大きな声で言った。

誰1人返事をしない。

まるで、皆が息を止めているかのように静かな空気が流れる。

丸「知ってますよ。部活の先輩が言ってました。」

この凍りついた空気を割ったのは丸ちゃんやった。

丸ちゃんが言うと、周りでボソボソとみんなが話し始めた。

村「そうか、、。ごめんな！悲しい雰囲気にしちまって！
今日のホームルーム無しで！ちょっと大倉に話あるから！お前ら、授業の準備しとけよ～！」

そうすると、めんどくせぇホームルームが無くなって嬉しいのか、また元通りの暖かなワイワイとした空気になった。

村「大倉、ちょっと来い。」

『はい。』

先生に付いて廊下を歩くと、先生が立ち止まった。

目の前には誰もいない静かな教室があった。

その教室に入ると、先生が言った。

村「今からお前に、さっき言った事件のこと教えるから。次、安田と話す時、言って欲しいことがあるんだ。」