【男主】赤髪の六年生の話【善法寺伊作】

お待たせしました自己紹介 ページ10

伊作がその場所にたどり着いた時、状況は一色触発だった。

大怪我をし、医務室で休ませていたはずの男と

夜は鍛錬で昼まで戻らないと言っていた筈の男が


メンチ切って殺気立っていた。

この場に下級生がいなかった事が唯一の救いだったと切実に思う



「止めるな伊作！！俺はこの曲者をっ」

『…いさく？』

「この人は怪我人！！いいから袋槍しまって！文次郎」

『もんじろー？』


その時初めて名前を知ったAが伊作と文次郎を交互に見る


『伊作？』

「あ、うん。善法寺伊作 これが僕の名前だよ」

『うん。覚えた 伊作くんね

………で、学生を偽ってるおっさんが、もんじろ？』

「おっさんじゃねぇ！！！俺は潮江文次郎ッこの学園の六年生だ！」

『そこからまず信じられないんだよなぁ…』

「テメェ…もう一回かましてやろうかッ

大体人に聞いといて自分は名乗らない気か？曲者じゃない証明が出来なければ伊作が許しても俺が許さんぞ」


それもそうか。と、Aは乱れた服を直してから口を開く


『オレは神楽A。主な職は戦忍
あとは情報収集とか…まぁ、諸々やってる

今は伊作くんに傷を診てもらうためにここにいる


一応、ここにいる間はよろしく頼むわ』

「戦忍か。
どうりで動きがいいわけだ

伊作、とんでもないやつを連れ込んだな」

『いやぁオレもびっくりしたよ
まさかこんな顔面年齢詐称の奴が学生さんなんて

噂以上に忍術学園は面白い所らしい』

「あ”ァ？」

「こらっ二人とも喧嘩はやめて！神楽くんも文次郎の血圧上がるからやめてあげて！！」

『いいよ名前で。お前も、名前で呼んでくれていいぜ？

……文ちゃん』

「も、文ちゃん！？」

『いやぁ、ちょっと色々調節しないとお前をまた同年と思えなくなりそうで…可愛いでしょ？文ちゃん』

「……よし。殺そう」

「やめてー！！」




『イシシッ、あー…笑った笑っ……た』

「うおあ！？なんだ、どうした？」

「！？Aッ」


不意に崩れる体を文次郎が咄嗟に支える
伊作が持っていたお盆を下ろして診察する


「…大丈夫。気絶してるだけ
でも、熱が高いや」

「あぁ、さっき少々暴れたからな」

「怪我人になんて事を…っっもう、文次郎ッ！！責任とって運ぶの手伝って」

「俺！！？」

「いいから！」

拾い物　文次郎side→←傷痕　伊作side

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