【男主】赤髪の六年生の話【善法寺伊作】

諸泉尊奈門 ページ48

伊作くんと仲違いして数日が経った

というもの、話しかけるタイミングがなかったと言うのが正しい

なんだかんだとやってれば気づけば数日経っていた
そんなふとした日。

なんの前触れもなく、そいつは現れた


「 お前ッ、」

『…あ？』


たまたま。偶然。
一人で廊下を歩いていた時に出くわした、知ってる顔

何年振りか、最後に会った時はもう少し頼りなさげな幼い顔立ちだった気がするが



(時間の流れってのは早いものだな)



『やぁ、久しぶりじゃないか。元気だったか？尊奈門』

「貴様ッ、いけしゃあしゃあと…っ」


言うや否や、尊奈門は刀を振りかざして殺気も隠さず襲いかかってくる。

オレは懐から苦無を出して迎え撃った


断続的に鳴り続ける金属音
単調な刀の振り方は動きを読みやすい



『しつこいな。昔の因縁なんて良い加減忘れたらどうだ？』

「なんだとッ」

『せっかくの再会だ。“元”先輩に少しくらい敬意を払ってくれてもいいんじゃねぇの？』

「黙れ！！貴様なんぞ、もう先輩なんて思うものか！


東堂さんの件、忘れたなんて言わせないぞ！！！」


東堂……あー、あの人ね。



(なんだ、雑渡さんは何も語らなかったのか)



『さぁ、誰だっけ？』

「っっ！！」



重く、鈍い金属音があたりに響く



(無知ってのは罪だね。尊奈門)

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