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特別な後輩 小平太sied R-15表現あり ページ11

*小平太×夢主表現が入ります。
愛というよりも救済の為の行為になるので、苦手な方は次のお話へ飛ばして下さい







“俺は、強くならなきゃいけないんです”

“三郎に、勝つ為にはこれくらいしないと…”



そう吐き捨てて、とっくに限界を迎えている体を引きずる様にして進むAを初めて見た時、哀れだと思った




切羽詰まり、余裕がない時。必要以上に頑張る時

決まってあいつはうわ言のように兄の名を出す



鉢屋三郎

一学年上の私達でさえ知っている名前

変装名人で文武両道の天才。噂では、“あの”はちやと聞くが

正直興味がなかった。


初めてAと出会った時、同じ名字だからもしやと思って聞いてみれば顔を歪めて“……弟です”とだけ答えた。


Aは兄と比べられ続け、比較され続けてきた

同じ学年で隣に並べば注目の的


『三郎より劣るので、期待しないでください』



委員会にAが入った時も、あいつは挨拶する時そう言った。

光の宿らない目をどうにかしたくて、長次と結託して構い倒した


最初は躊躇っていたが、諦めず構い続けた結果
私達の前では気を抜いてくれるまでになった。






そして私が五年生、Aが四年生になった秋の話

珍しく長次がいなく二人しかいない時だった


『七松先輩も中在家先輩も…何故、僕に構うんですか』

「Aが好きだから。じゃダメか?」

『…本当ですか?信じられないなぁ』


私の言葉を冗談と受け取ったのか自嘲気味に笑う

その笑顔がまた私の心をざわつかせる




「ならば、お前を“特別”扱いすれば、少しは信じるか?」

『え?』



Aの体を押し倒してそのまま唇を奪う。

何度も、深く、その息ごと奪った


『…は、…先輩、』




特別気にかけていた後輩だったから、心配していた


出会った時から、儚げな雰囲気を纏って
目を離せば消えるのではないかと不安になる時も多々あった




だからこそ、少しでも忘れさせてやりたかった。

兄貴の呪縛から



「何も、考えるな」


(今、この刹那だけでも)


『…ん、ぅ』




(お前を苦しめるものから、少しでも離せるのなら)



抵抗はされなかったから

気をよくして先を進む


『…ぁ、』
「…くっ」





(私は悪役にだってなってやる)





その日、私はAを抱いた

Aの…初めてを貰った。






頬を伝ったのが汗なのか、それとも涙だったのか

今となっては知る由もない

保護者 小平太sied→←行き着いた場所



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伊綱(プロフ) - 黒糖さまでーすさん» コメントに気づかずすみませんでした(汗)待っていてくれてありがとうございます (5月28日 22時) (レス) id: 4fcd5fb6be (このIDを非表示/違反報告)
黒糖さまでーす - 同じく待ってました (2023年3月4日 17時) (レス) @page14 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
ナツフユ(プロフ) - 待ってました (2022年12月4日 21時) (レス) id: 0f4d4373eb (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - ナツフユさん» 最新話更新いたしました。お待たせしてすみませんでした(汗 (2022年12月4日 19時) (レス) id: 4fcd5fb6be (このIDを非表示/違反報告)
ナツフユ(プロフ) - 最新話来て欲しい (2022年12月4日 12時) (レス) @page4 id: 0f4d4373eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伊綱 | 作成日時:2021年4月11日 23時

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