呪いじゃなくて、祈りを込めて ページ20
『悟〜調子はどうかな』
「…ん"ん」
『うーん。あんまりよくなさそうだね』
そーっと部屋を覗き込んでみれば、ベットの上で毛布から少しはみ出した白髪が見えた。
私の声に反応してひょこりと顔の上半分だけを出す悟は少し可愛かった
「○+$$<>|々〆」
『え?なんて??
“頭痛い”?…うーん。薬の効きが悪いのかな。体質?』
「☆」」々々+$」
『“昔からの体質”??そう。昔からなのね
それなら仕方ないよ』
布団の中で話すと声が届きにくくて聞き取りづらかったものの
何とか読み取って問答を繰り返す
朝よりも顔色が少し良くなってきている事に安心していたら、悟が不意に私の手を取って自身の頭に乗せた
『え』
「少し。少しだけでいいからかして
Aの手、温かくて落ち着くんだよ」
(そんな事。今まで一度も言わなかったのに)
「なんだろ。Aに撫でられるのは悪い気がしない
むしろ好き」
(え、え?)
まだお酒が抜けてないのだろうか
こんな素直な五条悟は初めて見……いや、見たことあるな。
昔からの付き合いだ。忘れていただけで何度も見た事がある
『私の手一つでいいなら、いくらでも貸すよ』
(辛気臭い悟は可愛いけど少し物足りない)
弱ってる悟は見慣れたが、普段の元気いっぱいに煽り症を爆発させてる悟も少し恋しくなってきたので早急に完治してもらいたい
『痛いの痛いの飛んでけ〜〜
なんちって』
「…僕、手は貸してって言ったけど
子供扱いしてとは言ってないんだけど」
『あっはは…ごめんごめんつい』
気を取り直して目を瞑る悟の頭を優しく撫でる
呪いではなく、祈りを込めて
早く頭痛いの治っていつもの悟に戻りますように。ってね
222人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:伊綱 | 作成日時:2023年10月2日 4時