【男主】赤髪の六年生の話2【善法寺伊作】

そして話は現在へ ページ9

『……結局、オレがタソガレドキにいたのは一年そこそこ

わざわざ本名も変えて、髪も黒染めして色々めんどーだったわ』



長い長い話に付き合ってくれてありがとね。
そう言って伊作くんの方見れば、とても複雑そうな顔をしていた。



『尊奈門のやつ、昔っから騒がしくて
顔を合わせるたびにオレに勝負を挑んできたもんだ

ま、返り討ちにしてやったけどね〜イッシシ』



懐かしい記憶を辿って笑みをこぼしていたらここで、ずっと黙っていた伊作くんが口を開く



「……君が受けた依頼って、尊奈門さんが怒ってた理由と関係あるの？」

『ああ。それは簡単
“タソガレドキのねずみ…裏切り者を探し出して排除”がオレの任務

そして、尊奈門が“慕ってた先輩”が、ねずみ。
こう言えばわかりそ？』





尊奈門が大好きだった先輩を、オレが始末した。

彼は、口八丁で上手い事タソガレドキに潜り込んでいた。
証拠を見つけ出すのに苦労した

運が悪かったのは、ちょうどオレが彼を殺す場面に尊奈門が居合わせた事




『側から見れば、オレがタソガレドキ裏切って味方殺して逃げたって感じかな』

「どうしてッ君は何も悪くないだろ」

『そうだな。こればっかりはオレからは何とも…

ただ、雑渡昆奈門の反応を見てもいまいちわかんねぇのよね』



知ってるのに、あえて言わなかったのか

もしかしたら、向こうにも何か理由があるのかも。なんて



オレは密かにまだ、あの人を信じているんだろうな

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