1人と1匹の珍道中 ページ40
「どうだ?Aの匂いはするか?」
《……うん。どうやらこの道を通ったと見て間違いないよ》
「そうか!ありがとうシキ」
《別にこへーたの為じゃないし。Aを早く見つけたいから協力してるだけだし!》
「それでも、お前の鼻は頼りになる。私の鼻だけでは限界があるからな!!」
その頃、一足先に忍術学園を出発していた小平太はAの管理する生物委員会の狼…シキと共に行動をしていた。
と、言うのもここまで辿り着く前小平太が四の山入り口ギリギリ付近で大声でシキを呼び協力を仰いだからだ
《A、やっぱり諦めきれなかったんだね…》
「シキ。お前何か知ってるのか?」
《忍術学園に大勢の敵が入り込んだあの日の翌朝
血の気の無いAが僕らのところに来た。
……A、泣いてたよ》
「…」
“また守れなかった…約束したのに……俺は…また”
あの日の悲痛な声と嗚咽に、シキはただ側で寄り添うことしかできなかった。
《こへーたはどこまで知ってるの?Aの事》
「私か?私は……」
(どうせ、「Aの事ならなんでも知ってるぞ!
なんてったって一年の頃からの仲だからな!」とか言いそう。話振らなきゃよかった)
「__なにも、分からん」
《え、》
「数日前までは自信を持って分かると言えたんだが…
これを見つけてからは、Aの事が少し分からなくなった」
走りながら、小平太は懐からあるものを出してシキに見せる
《それ》
「Aの置き手紙だ。今朝見つけた」
最初らへんの文で頭が思考を停止し内容をうまく覚えていない中、最後の一文だけははっきりと覚えてる
“いつか、俺が俺に還った日
その時はまた、一緒に笑ってくれるかい?”
《どう言う意味?…それ》
「さぁ、私にはさっぱりだ。だけど、何か企んでるのは分かる。長年の勘だけどな!
だから、早いうちに長次にも話して今頃は学園でも大騒ぎしてるんじゃないかな」
(特に、竹谷とかな)
そんなこんなしていると、ピタリとシキの足が止まる
《…あそこ。中からAの匂いがする》
「…」
《こへーた。あの城…》
「あぁ」
小平太は目先の城…タソガレドキ城を見つめる。
その顔は強張り、笑顔が消える
(…A…)
「……おや、こんな所で会うなんて奇遇だね。七松くん」
《!!》
「!雑渡昆奈門!!」
ぬるっと現れた雑渡に小平太とシキは反射的に飛び退き、小平太は苦無を構える
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伊綱(プロフ) - 紫さん» ありがとうございますありがとうございます!!めちゃくちゃ嬉しいです頑張りますっっ (2020年12月23日 12時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - この作品むっちゃ好きです。更新楽しみにしてます (2020年12月22日 3時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます!とても嬉しいですっっ (2020年10月28日 15時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 面白かったです!更新楽しみにしてます! (2020年10月28日 14時) (レス) id: 1d63efc7c2 (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 猫築かなめさん» ありがとうございます!!なるべく更新できるよう頑張ります (2020年10月23日 11時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊綱 | 作成日時:2020年7月25日 13時