記憶の断片 竹谷side ページ39
「ハ、何か知ってるのか?」
「オレが二年生の時、一度だけ山で雷蔵達と逸れた事あっただろ?」
「あの日か」
「1人で山の中彷徨ってたらどっかの城の忍者と遭遇しちゃって
その時に駆けつけてくれてのが委員長だったんだけど」
“うちの子に、何してんの”
「多分相当頭に血が昇ってたんだろうな。委員長、あっという間に5、6人いた忍者倒しちゃったわけだけど…
なんだろ、凄い変な感覚して
まるで、目の前の委員長が知らない誰かみたいに見えた」
「…」
「まぁその後は中在家先輩も先生方と共に来てくれて、なんともなかったけど……そのあと1週間くらい委員長に会えませんでした」
「それについては私も説得したんだが…中々部屋から出てきてくれなくてな
“…絶対怖がられる。あんな姿、後輩に見せまいと思ってたのに…嫌われる、怖い”…と言っていた」
「!!嫌うなんてそんなッ」
「1週間後、結局プチ籠城してたAを部屋から引き摺り出したのは小平太だった」
その七松先輩が一足先に委員長を見つける為に動いてくれている。そう告げる中在家先輩の言葉に伊作先輩が声を上げる
「小平太は学園出る時会ったけどなんにも言ってなかったよ?」
「本当は、私達だけで解決するつもりだった。
お前達に悪いと思って」
中在家先輩はオレを含むみんなを見る
先輩方は最小限で解決させるつもりだったみたいだけど、そうはさせない
「水臭いな…ほんと、長次。お前らほんと水臭い」
「文次郎」
「面倒だとか迷惑とか今更だ。毎日毎日文次郎と留三郎の喧嘩の方が幾分面倒だ。「「なに!?」」…うるさい。だから何もそこまで溜め込む必要はない」
「仙蔵、」
「僕ら長い付き合いじゃないか。こういう時こそ頼り合いだろ?」
「まぁ、そういう事だ 小平太にも言っておけ。長次」
「伊作、留三郎…」
「僕らだって手伝いますよ先輩」
「一応、あの人には借りがあるんで…」
「まだ先輩に豆腐料理ご馳走できてないんで早く連れ戻しましょう」
「一理ある。俺もまだお団子屋さん行けてないしね」
「委員長を見つけたら今度こそ説教してやりますよ。
これ以上勝手に無茶するなってね」
「…お前達」
中在家先輩は微笑む。その笑顔は怒っているからじゃない
心からの笑みだった
「だが、探す前提としても学園はどうする?全員で動くと委員会が機能しなくなるぞ」
雰囲気をぶった斬る勢いで出た立花先輩の言葉に皆が「あ、」と言う
オレもまた失念していた。
委員会、どうしよう…
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伊綱(プロフ) - 紫さん» ありがとうございますありがとうございます!!めちゃくちゃ嬉しいです頑張りますっっ (2020年12月23日 12時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - この作品むっちゃ好きです。更新楽しみにしてます (2020年12月22日 3時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます!とても嬉しいですっっ (2020年10月28日 15時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 面白かったです!更新楽しみにしてます! (2020年10月28日 14時) (レス) id: 1d63efc7c2 (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 猫築かなめさん» ありがとうございます!!なるべく更新できるよう頑張ります (2020年10月23日 11時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊綱 | 作成日時:2020年7月25日 13時