検索窓
今日:7 hit、昨日:36 hit、合計:70,520 hit

蘇る記憶と「父」 ページ20

タソガレドキ城の地下へと続く階段を一つ一つ下り、辿り着いたのは地下牢の一室。

蝋燭が一つ灯されているだけで外からの灯りがないこの場所は牢獄として使うにはうってつけだろう

目的の人物は俺の姿を見つけると、なんとも言い難い不気味な笑顔を作った


「後でまた迎えに来るからゆっくり話を聞くといい」

『助かります』


ここまで導いてくれたタソガレドキの人(名前知らん)に礼を言うと、まっすぐ男の元へと歩み寄る


「こりゃあ驚いた。小僧、生きていたか」

『あの程度で死ぬ程俺はやわじゃない』

「可愛げのねぇガキだな。わざわざこんな所まで来るあたり、わしに何か用があるんだろ?」

『話が早くて助かるな。
2年前、あんたは忍術学園を潰す為に雇われた元侍だと聞いた。雇ったのは何処の城の奴らだ?』

「……それを聞いて、どうすると言うのだ。
小僧。悪い事は言わねぇ敵討ちのつもりならやめておけ
今のお前の力じゃ無理じゃ

「今」のお前じゃな」

『…どう言う意味だ』

「あの日、お前と刀を交えて確信した。
お前、自分で自分の力を抑え込んでるだろ?それをやめない以上戦うのは無駄だ」

『…何を知ってる』

俺の問いに男はいっそう嫌な笑みを深めた
まるで、そう聞かれるのを待っていたかの様に


「全て知っているとも。

お前さんはわしの事忘れちまっただろうが、わしはお前さんの事しっかり思い出したぜ。

今は確か……“鷹尾A”だったか??」

『な、』


(こいつ、)


嫌な汗が背を伝い、血の気が失せる
そして、嫌な予感が頭をよぎった。

ただ情報を貰って終わるはずだったのに、思わぬ事態になってしまった。なんて、考える余裕もなかった


「随分と生意気に育てられたものだな。

あの方が知ったらさぞかしお怒りになるだろうよ


なぁ、“屍”よ」

『…っ!!……ぁ、』


嫌な記憶が蘇る。



“屍”



それは、物心ついた時から「父親」と呼ばれる存在に呼ばれ続けた俺の“呼称”だった






“いいか屍。お前はその名の通り“屍”だ

常に己を“屍”と思い死に抗う事なく任務を果たし

そして、

わたしの為の駒となり わたしの為に働け

___わたしを、失望させるな”



『……っ』



視界が暗くなり、体が傾く

最後に見えた男の顔は最初と変わらない


嫌な笑みを浮かべていた。




「ふふふ、どうやら再会は近い様だ。

楽しみだなぁ


弥右衛門殿」

覚悟と別れと近づく真実→←回想 鉢屋side



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (90 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
171人がお気に入り
設定タグ:忍たま乱太郎 , 六年生 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

伊綱(プロフ) - 紫さん» ありがとうございますありがとうございます!!めちゃくちゃ嬉しいです頑張りますっっ (2020年12月23日 12時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
- この作品むっちゃ好きです。更新楽しみにしてます (2020年12月22日 3時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます!とても嬉しいですっっ (2020年10月28日 15時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
- 面白かったです!更新楽しみにしてます! (2020年10月28日 14時) (レス) id: 1d63efc7c2 (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 猫築かなめさん» ありがとうございます!!なるべく更新できるよう頑張ります (2020年10月23日 11時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:伊綱 | 作成日時:2020年7月25日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。